side1.18
王宮に帰ると、ちょうど王子の夕食の時間だった。
「失礼致します。ジョエル王子、本日の夕食はどちらでなさいますか」
「ああ・・・部屋に持ってきてくれ」
「かしこまりました」
王子、テンション低かったな。
まぁ、話しかけれなかったもんな。
そんな事を考えながら部屋に夕食を運ぶ。
「お待たせ致しました」
王子がテーブルに座って夕食を食べ始めた。
しかしスープをすくうのに、何故かフォークを使っている。
さっきから、スカッスカッとやっている。
「ジョエル王子、それはフォークです」
「なぁテイラー」
聞けよ。
「はい、王子。今日はいかがでしたか」
「はぁ。今日もだめだったんだよ・・・」
「そうですか」
「何かいい方法はないのか」
「放課後、演劇部のメンバーが集まる前に待機しては如何ですか?」
「集まる前?」
「はい。そうすれば大広間に入る時に、目の前を通られると思うのですが」
実際今日、目の前をノエル様が通って行ったからな。
「そうか!!!!!頭いいなテイラー!!!!!」
「いえ。それと王子」
「なんだ?」
「いっそ、名前くらい影に調べさせたら如何ですか?」
ノエルという名前だけだと女性にもいるが、
名前の報告と同時に性別の報告があがるはずだ。
「それはダメだ!私は自分でジュリエットの名前を聞く」
必要ないとこで男らしさださないでくれよ・・・。
「はあ、そうですか」
「話しかける時に何かプレゼントでも用意した方がいいだろうか」
「プレゼント」
「ああ、プレゼントだ」
「名前も知らないのにいきなりプレゼントは引かれませんか」
何を用意するのかによるが、何にせよ女性向けのプレゼントだろうしな。
「そ、そうか?」
「私ならドン引きしますが」
薔薇とか送られた日には、ノエル様はドン引きだろうよ。
「ドン引き・・・そうなのか・・・」
「好みもわからないのでしょう?」
「でも、女性なら花は好きだろう?薔薇とか」
ほらな。
「私の妹は花粉症なので薔薇は嫌いですが」
嘘だけどな。
「そんな可能性もあるのか!そうか・・・困ったな」
「知り合えてからでいいのではないですか?」
「そうだな。ひとまず私を知ってもらわねば始まらんか」
知ってはいるだろうよ。色んな意味で。
「ええ。プレゼントなんていつでもできますよ」
「わかった。明日こそ話しかけるぞ」
「頑張ってください」
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「テイラー、ジョエルはどうだった?」
「休み時間の度にノエル様をお探しでした」
「まだ見つけておらぬのか」
「当たり前ですがノエル様は普段男子生徒の制服なので、視界に入っていないようです」
「あぁ、なるほどな」
「早ければ明後日にでも演劇部に潜入しますが、ノエル様に今回の件を話してよろしいでしょうか?」
「そうだな・・・ノエルからジョエルに接触させる方が早いか」
「ええ、そう思います」
「わかった。やり方はお主にまかせる」
「かしこまりました」




