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沖田君の恋4<不審者と眷属の恋歌 フェイズ4>

「っていうことがあったのさ」



 俺は沖田の話を聞いてちょっと驚いていた。待ってそんな事があったのかよ……乙女ゲーでいうおもしれー女ってやつだろうか? こいつの場合結構もてるから普通の女の子では物足りなくなったのかもしれない。でも、あの子は紅の大事な妹のような存在なわけで、そして沖田は俺にとって親友なわけで。だから変に気まずくなってほしくないのだ。傷ついてほしくはないのだ。



「いやぁ、だが朱は結構変わっている女の子だ。沖田はその……あのノリについて来れるのか。朱はまさに真っ最中だから抑えられないと思うぞ。俺の中学時代を思い出してくれ」



 今でも魔女の騎士をやっているが、かつては今よりもやばかった。例えるならば、常に紅と河原にいた時のテンションだと思ってくれればいい。沖田はそのテンションについて来れるのだろうか? 中学の時だって苦笑していた。



「覚悟の上だよ、むしろそういうところが好きになったんだよ。僕は……」



 そういう沖田はいつもと違いどこか大人びていて俺はこいつが本気だなていうのが伝わる。だったら俺もこいつのサポートをしないとな。こいつがいつもサポートをしてくれていたように。


「それで……俺は何をすればいいんだ? できることならば何でもすると誓おう」

「ありがとう……そうだね、今度練習試合があるんだけどさ……田中さんと一緒に朱ちゃんに付き添ってくれないかな? 彼女は来てくれるっていたんだけどさ。人見知りでしょ、だから心細いと思うんだ」



 そう言って沖田は少し恥ずかしそうに笑う。流石沖田というところだろうか、もう、応援に来てくれっていう話は進んでいるようだ。おお、これは漫画とかでよく見る展開だよな。甲子園に連れて行ってみたいな。 



「なるほどな。そこでいいところを見せるのと全国へ本気で行くって言うアピールをするわけだな」

「ご名答、僕が本気で頑張っているっていうのを彼女に見せないとね」

「だが、沖田なら全国くらいいけるんじゃないか?」


 こいつは基本的にスペックが高い。体育の授業も何でもそつなくこなすし、剣道も中学の頃からずっとエースだったのだ。正直俺はこいつが苦戦したり負けたりするイメージがあまりないのだが……



「それは違うよ、神矢……僕はただ器用なだけさ。そして、全国には僕より才能をもった奴らが何人もいるからね。死ぬ気でやらなきゃいけないんだよ……僕の決意をみてくれるかい?」

「沖田の決意……?」


俺の言葉にうなづくと彼は俺の目の前にスマホを置いた。そしてアプリを起動させる。



「僕はこれを……アンインストールするよ……それが僕の決意だぁぁぁぁぁぁ!!」

「沖田ぁぁぁぁぁぁ!!」

「だからなんで如月先輩はいつも騒ぐんですかぁぁぁ、やっぱり類は友を呼んでたぁぁぁぁ。例えるならば、ヱヴァンゲリヲンの映画を観に来た人たちの前でネタバレをするくらい空気読めてないのを見た気分です!! 静かにしてください!! てか、でてけーー!!」



 マジ泣きしそうな沖田を必死に止める。確かに頑張るためにそういうのも必要だとは思うがやりすぎは良くないと思うんだよな。結局騒いでいた俺達は店を追い出されるのであった。




 暴走している沖田からソシャゲの番号をおしえてもらいいつでも復活させれるようにした俺は、一人帰路へと向かっていると、マスクにサングラスをした女性が立っていた。俺はどんな状況でも他人に正体を明かさない良いセンスだなと思いながら通り過ぎると、いきなり背後から何か固いものを押し付けられた。


「如月神矢ですね……今から私の質問に答えなさい。さもなければ……」


 ボイスチェンジャーで加工された声で話しかけられる。だが、甘いな、愛の力の前ではそんなものは無駄なのだ。



「何をやってるんだ、紅? それともその姿のコードネームでとかあるのか?

「なんでわかるのよ!!」


 俺はびっくりした声をあげる彼女に微笑むのであった。




なろうコン用の作品を書いてみました。よかったら読んでくださると嬉しいです。よろしくお願いいたします。


ハイファンタジー新作


『散々搾取された上、パーティーを追放された技能取引者<スキルトレーダー>スキルショップを開き、S級冒険者や王族の御用達になる~基礎スキルが無いと上級スキルは使いこなせないって言ったはずだけど大丈夫か?』

https://ncode.syosetu.com/n6845gv/


ラブコメの新作です。


モテなすぎるけど彼女が欲しいから召喚したサキュバスが堅物で男嫌いで有名な委員長だったんだけど~一日一回俺に抱き着かないと死ぬってマジで言ってんの?~


https://ncode.syosetu.com/n6430gv/



気分転換に書いた短編です。


幼馴染ヒロインっていいよなって言ってからいつもつるんでいる後輩が幼馴染を自称するようになったんだが……ちょっと待って、なんで俺の昔の写真にもお前が写ってんの?



https://ncode.syosetu.com/n7452gv/

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【催眠ごっこで結ばれるラブコメ ~初恋の幼なじみの催眠術にかかった振りしたらムチャクチャ甘えてくるんだけど】 こちらが新作です。 催眠術をきっかけに、素直になれなかった幼馴染達が結ばれるラブコメです。
― 新着の感想 ―
[良い点] 沖田の決意! この恋叶うといいな [気になる点] 紅のポンコツ度w [一言] あンインストール~アンインストール~♪
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