ハロウィンパーティー4 (吸血姫と従者の祭典 フェイズ4)
声の方を見ると思った通り妻田と、中村がいた。しかも鬼滅隊の羽織を着て、無駄に立派な刀を持っている。こいつら本当に暇すぎないか?
「やはりいたな、如月!! くらえ、嫉妬の呼吸、壱の型 元カノ語り!! 田中さん聞いてくれ、こいつは一年の時に斎藤さんと遠足で膝枕してもらってたぞ」
「想像以上に地味だった!? あれは俺が遊び疲れたからバスでしてもらってただけだろうが!! そもそもあいつとはただの幼馴染だっての、元カノじゃねえよ」
「ふーん、膝枕してもらったんだ……ずいぶん仲良しなんですね」
「え……? なんでムチャクチャ機嫌悪くなっているんだ?」
背後から黄泉の死者のような暗い声が聞こえたかと思ったら紅が無茶苦茶機嫌悪そうな顔をしていた。くっそ、嫉妬してくれるのは嬉しいけど、アフターケアが大変だな。やるな嫉妬の呼吸!!
「次は貴様の番だな!! 嫉妬の呼吸弐の型 黒歴史!! こいつは小学校の時にスカートめくりをしていて先生にガチで怒られてたぞ」
「お前らも一緒にやっていただろが!! 懐かしいな。クラスのマドンナの立花さんは小学生なのにちょっと大人びたパンツだったな……そして先生はくたびれたパンツだった」
妻田の言葉に安心院はしみじみといった感じで昔を語る。それにあわせるかのように妻田もうなづくのだった。こいつらは小学校からの付き合いらしいからな。思い出を共有しているのだろう。でもさ、お前らは忘れているよ、安心院がいるって事はその隣に誰がいるかって言う事をさ。俺はこっそりと紅の手を取って距離をとる事にする。彼女も状況を察したのかだまってついてきた。
「え、安心院? じゃあ、隣の無惨様は……妻田そっちはいじったらまずいよぉ……ひぇ!!」
中村は気づいたようだがもう遅い。隣の赤坂さんが無表情で安心院と妻田を睨んでいる。そして、そのまま安心院と妻田の頭をつかむ。
「ねぇ……真広、他の女の下着を見るって浮気だと思わない?」
「え、だって小学生の頃の話だぞ……そもそもお前と会ってすらいないだろ」
「え、隣の無惨様は赤坂さんだったのかよぉぉぉぉ!! 誰か助けて……死にたくない……」
事態を察したのか妻田が絶叫する。そして、なにやらこちらに助けてくれとアイコンタクトをしているが俺はきづかないふりをする。
「赤坂違うんだ、これには深い事情が……」
「ねぇ、真広、あなたは私のいう事が間違っているというの?」
「いや、そんな事は……」
「あなたはいつも女の子のスカートをめくりたいとおもっているのね?」
「いや、流石の俺もそこまでは……」
「あなたは私が言うことを否定するの?」
「すいませんでしたぁぁぁぁ!!」
無表情な赤坂さんに速攻即レスされて恐怖のあまりか安心院は土下座をした。そしてそのまま視線は妻田へと向かう。
「それで……なにがおこらせてしまった、まずいなのかしら? 妻田」
「え? 思考が読めるのか? まずい……」
「なにがまずいのかしら、言ってみてくれるかしら?」
「いや、それはその……違うんだ……そのリア充がいたから俺は……ごはぁ」
うわぁ……妻田の首が絞められてあっさり気絶した。それをみて、中村が逃げ出す。
「ダメだ、お終いだ。思考は読まれ、肯定しても否定しても殺される……戦って勝てるはずもない。なら、逃げるしか……」
「中村逃げるの? 月曜日が楽しみね」
「ひぃぃぃ」
赤坂さんの一言で、中村が悲鳴をあげる、そうだよな。同じクラスだもんな。逃げる意味はあまりないよな……
「如月君、田中さん、ちょっと私は用事を思い出したから席を外すわね。ほら、安心院、妻田をもって、中村もついてきなさい」
『はい……』、
赤坂さんの後ろを死人のような顔で二人はついていくのであった。
「なあ、紅……とりあえず俺達は楽しもうか……」
「そうね……」
そうして俺達はハロウィンを楽しむことにするのであった。なんというかやたらとバタバタしたが、紅の可愛らしい仮装をみれて満足だった。
なろうコン用の作品を書いていて、更新が遅くなりました。すいません。こちらも更新再開いたします。
じれじれ系のラブコメです。よかったら読んでくださると嬉しいです。主人公はこの作品の妻田君ですね。
モテなすぎるけど彼女が欲しいから召喚したサキュバスが堅物で男嫌いで有名な委員長だったんだけど~一日一回俺に抱き着かないと死ぬってマジで言ってんの?~
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