ハロウィンパーティー2 (吸血姫と従者の祭典 フェイズ2)
街の商店街の更衣室に行った俺は紅お手製の衣装に着替える。白い礼服を基調としたベルサイユのばらのような礼服に血糊が所々につけられている服装に、俺の作った闇よりも深き黒色の刀身を持つ邪剣ファフニールを装備して白銀の髪色のウィッグに紅いコンタクトをした状態である。もちろん吸血鬼の騎士として牙もちゃんと消しゴムで作ってある。紅がしっかりとメイクもしてくれたおかげでいつもと顔が全然違って楽しい。なんだろう……自分でいうのもあれだが俺かっこいいな!!
「すまない、待たせたな」
「おー、楽しみだな、如月っていうか気合入りすぎじゃね、なんか貴族かなんかかよ?」
「いや、お前の方こそそれはなんだよ……仮装じゃなくてコスプレじゃん」
「いやー、最近アニメ観たらはまっちゃってさ」
そう言ってニヤニヤとわらっている安心院の仮装というかコスプレは「鬼〇の刃」の魘夢 (映画に出てくるキャラです)である。てか主人公達じゃないんだな……でも気持ちはすごい分かる。正義のヒーローよりも、悲しい過去を持った悪役とかに心惹かれるよな。猗窩座とかむっちゃ好きだもん。それに、ひょっとしたら赤坂さんの趣味も入っているのかもしれない。まあ、仲が良さそうで何よりである。
「お、赤坂たちも終わったみたいだぞ。行こうぜ。てかお前ノリノリだな」
「当たり前だろう、俺のような人種はこういう時に血が騒ぐんだよ」
俺が鏡の前で剣を振ったりポーズをとっていると安心院がスマホ見ながら少しあきれたように言った。年に一回の街中で仮装していい日である。楽しいに決まっているだろう。本音を言えば騎士の恰好で学校にだって行きたいがそれはもう許されない。
そりゃあ、中二で厨二だった頃はこんな格好で街中を紅と良く歩いたが俺も彼女も高校生だ。TPOをわきまえるという程度の常識はついているのだ。だからだろう、普段抑圧されている分反動がやばい。思わず必殺技とか叫んでしまいそうである。
ちなみに俺の設定は吸血姫(紅)と血の契約を結び従者となった騎士だ。彼女のためなら自分の国すら裏切ったという悲しい過去を持つ。ちなみに吸血姫に従っているのは吸血鬼のスキルである『魅了』ではなく、己の意思で彼女に従っているのだ。本来魅了に抵抗するのは常人には不可能で……以下略
外に出ると一人の人間離れした美しい少女がいた。俺と同様に銀色の髪に血のように赤い眼、レースをあしらった美しいドレスに蝙蝠のヘアピンを付けた彼女は、周りから見てもあきらかにレベルが違った。しかも蝙蝠の風船まで周りに浮かせているので完璧だ。もちろん紅である。彼女の前にはお菓子が大量に置いてあって、子供や、おっさんたちに写真を撮られて顔を真っ赤にしながら硬い表情で笑顔を浮かべている。
「文化祭の時も思ったけどお前らのこの謎のモチベはなんなの? クオリティのレベルが違うんだけど……」
「これでこそ我が主だな」
このまま声をかけてもいいが写真を撮られまくってテンパっている紅が可愛いので俺もスマホで写真を撮りまくる。しばらくそうしていると彼女は俺と目が合うと、一瞬すごい嬉しそうな笑顔を浮かべたのち一転して、蠱惑的な笑みを浮かべて俺の方に向けてこう言った。
「遅かったですね、神矢。主を待たせるなんて、従者失格じゃないでしょうか? これはお仕置きが必要ですね」
「申し訳ありません、わが主よ。ですがあなたへの忠誠心は本物です」
最古にて最強の吸血姫である (そういう設定) 彼女の言葉に俺は従者のように頭を垂れるのだった。俺の登場に周囲もざわめく。同じ生地の衣装、同じ髪色などから仲間だと判断してくれたのだろう。やっばい、無茶苦茶楽しいな。ちなみに口調は安心院達がいるので偽装モードである。
「なんか変な寸劇がはじまったんだけど……田中さんって如月君の影響を受けてるみたいね」
「まあ、いつもの事だぞ……てか、赤坂は俺よりイケメンでむかつくな」
「心配しなくてもあなたもそこそこかっこいいわよ」
俺達をみてそういったのは白いスーツに黒いコートと白い帽子を被った青年だ。マイケルジャクソンか? ちげえよ、無惨様じゃん!! しかも青年だと思ったら赤坂さんだーー!! 元々長身ですらりとしているか無茶苦茶似合ってるんだけど、そこは女装じゃなくて男装なのかよ。奇しくもこっちもあっちも主従関係になっているな。
俺達は写真を撮っていた人たちにお礼を言って安心院達と合流する。
「やあ、赤坂さん、今日はよろしくな。でも女性の格好じゃないんだな。その作品なら男女のカップリングもなかった?」
「そうなんだよ……俺は別のキャラにしようって話したのにさ……」
「ええ、何ていうか、二人で作品を合せようって話になったんだけど、なんか私が女性キャラの格好していて、安心院がニヤニヤしているのを見ると嫉妬しちゃって……あとなんか、私の安心院がそのキャラに奪われたみたいで気分悪いのよね」
「予想以上に嫉妬深いな!!」
「あ、それちょっとわかるかもしれません。私以外の女にうつつを抜かしているみたいでイラっときますよね」
待って、紅もわかるの? だって嫉妬の相手はアニメキャラだぞ。しかも自分がコスしているんだろう? 俺が混乱していると、何にも気にしていない安心院が声をかけてくる。
「おーい、はやくいこうぜ」
そうして俺達はハロウィンの会場にいくのだった。
鬼滅パロ入ってますが大丈夫でしょうか?
アニメの格好がコスプレ オリジナルが仮装ってわけてますが神矢が勝手にわけているだけなのでお気になさらず
また新作を始めました。幼馴染とのいちゃらぶものです。よろしくお願いいたします。
『催眠ごっこで結ばれるラブコメ ~初恋の幼なじみの催眠術にかかった振りしたらムチャクチャ甘えてくるんだけど』
https://ncode.syosetu.com/n1226gp/
短編で円卓モチーフの追放ものを書いてみました。よかったら読んでくださると嬉しいです。
『音魔術によって心を癒せる宮廷音楽家、戦争の役に立たないとリストラで追放されたが、隣国の剣姫に拾われて楽しい宮廷ライフを過ごす。~城内がギスギスして内部崩壊しそうだから戻ってきてくれと言われてももう遅い』
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