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19.鈴木凪という少女<魔女の眷属との戦い>

 放課後俺は紅とちょっとおしゃれなカフェにいた。店のチョイスは沖田だ。女子ウケ良さそうな店をしっていてむかつくな。

部室に沖田が襲来した後詳しい話は放課後という事でこの場所を指定されたので来たのだ。



「神矢……本当に沖田に私の事しゃべっていないんでしょうね、あんたうっかりしてそうだから」

「いや、紅にだけは言われたくないんだけど……」

「どういう意味よ!! 黄泉の魔女たる私がそんなミスをするわけないでしょう」



 いや、恵理子も薄々勘付いていたぞ。この調子だとクラスの親しい奴はきづいているんじゃないだろうか? と思ったがそれを言うと泣かれそうだ、なので黙っていることにした。



「すまない、少し遅れちゃったよ」

「お待たせしましたわ」



 そう言ってやってきた沖田の後ろには小柄のゴスロリにカラーコンタクトをした少女がいた。やべえ格好だ。こいつはたまらねーぜと俺の厨二心が疼く。紅は綺麗という言葉が似あうがこの子は可愛いという言葉がよく似合う。それはさておきだ。沖田に言わなければいけないことがある。



「お前いくらロリ巨乳が好きだからって中学生に手を出すなよ」

「なんでそうなるかなぁぁぁぁ、僕がどれだけ振り回されていると思ってるんだ……」



 こいつまさかこんな手の込んだことしてまでダブルデートをしたかったのかな? しかし中々素敵なファッションセンスである。特にオッドアイとか最高過ぎない?



「朱!! なんでここに……しかも生理的に無理な人となんで一緒にいるの? 性的にみられるわよ、早く逃げなさい」

「お久しぶりですわ、紅姉さま。この人は確かに不審者なんですがいい不審者なんですよ」

「田中さん!! 僕おんなじクラスなんだからそろそろ名前おぼえてくれないかなぁぁぁ」



 カフェに沖田の絶叫が響く。そんなことより俺は沖田の連れてきた少女と紅が知り合いという事に驚いた。しかも田中幸子ではない、黄泉坂紅を知っているのだ。浅い関係ではないのだろう。

 少女は俺の目線に気づくと不敵に笑った。



「自己紹介が遅れましたね、私の名前は黄泉坂朱!! 黄泉に咲くベニバナより色を与えられ朱色の力を持つもの。人は私を黄泉の魔女の眷属と呼びますわ」



 その自己紹介で俺は察した。ああ、彼女は同類だ。しかも俺達と違いまだ現役なのだろう。ならば俺もちゃんと相手をしてあげなければ失礼に当たるだろう。



「俺の名前は如月神矢だ。神すら射抜く矢と書いて神矢だ。俺の体には黒竜が封印されていてね……そのせいか人は俺を黒竜の騎士と呼ぶよ。なるほど紅の眷属か……沖田も君から話を聞いたんだな」

「噂は聞いていますよ、黒竜の騎士。お会いできて光栄ですわ」

「みんな知っているようだけど私も一応自己紹介をした方がいいわね、私の名前は黄泉坂紅、あの世の黄泉に坂、名前はベニバナの紅よ。人は私を黄泉の魔女と呼ぶわ」

「え、ごめん何が始まったの? てか田中さん普段とキャラが違いすぎない?」



 沖田が情けない声をあげるが誰もとりあわない。むしろ自己紹介しろよという俺達の視線が彼を襲った。



「え、沖田翔です……」

「はぁ……不審者さんは相変わらずダメダメですわね。0点です」

「ここは空気読みなさいよ……0点ね」

「なんで僕は何にも悪いことをしていないのにこんなぼろくそいわれるんだ……」



 精神的にボロボロになっている沖田を無視して話は進む。一人頭をかかえているがまあ、勝手に立ち直るだろう。



「それで朱ちゃんだっけ。今日俺達を呼んだ理由は何だ?」

「黒竜の騎士であるあなたと、黄泉の魔女がである紅姉様が将来を誓いあった関係になったという事をそこの不審者さんから聞きましたわ。でも私はあなたが紅姉さまにふさわしいか男か見極めたいのです」

「へぇ、黒竜の騎士たる俺では不足だと?」

「ちょっと朱何を言ってるのよ、神矢ものらないの。てか将来を誓いあったとかなんかプロポーズみたいじゃない……」



 どうやらこの朱って子は俺が紅の彼氏にふさわしいかを見に来たようだ。黒竜の騎士として黄泉の魔女の眷属ごときに負けるわけにはいかない。そして何よりこの懐かしい感覚悪くない……むしろいい!! 河原での出来事といい、今の出来事といい俺の厨二心をくすぐる事ばっかりだ。本当に紅には感謝しかない。あれ、なんで紅は顔を真っ赤にしてるんだ?



「申し訳ありませんわ、紅姉さま……でも私はこの男が紅姉さまの事を本当に想っているかは信用できないのです。いい加減な男に騙されて悲しむ紅姉さまをみたくないのですわ」

「朱……でも安心して神矢は……」

「いや、いいぜ、その話のろう」



 この女の子の目は節穴だな。偽装カップルとは言え俺の紅への想いは誰にも負けるつもりはない。あっちがどう思っているかは知らないけどな。



「うーん、それはいいんだけど僕としてはフェアじゃないと思うなぁ、田中さんの方が本気じゃない可能性もあるだろう?」

「いえ、それはありえませんわね。紅姉さまの黒竜の騎士に関してのラインをみるとその…なんというか幸せそうなので……」



 なぜか頬を赤らめる朱。え、待って何が書いてあるの。すっげーみたいんだけど。時止めの事とか書いてないよね。性癖が紅の後輩にまで知れ渡ってるとかなったら死にたくなるぞ。



「朱……もしみせたらどうなるかわかるわね」

「はい、もちろんです、紅姉さま!!」



 紅がいままで聞いたことないほどやさしい声で朱に声をかえた。なんだこれ? 笑顔なのに寒気がするんだけど!! 朱なんか涙目になってるじゃん。



「で……どうやって俺が紅に対して本気って証明すればいいんだ」

「それは私と勝負してもらいますわ」

「勝負かいいな、魔女の眷属と黒竜の騎士の決闘か悪くない……むしろいい!!」

「はい、交互に紅姉さまの素敵なところを言い合いましょう。先に尽きたほうが負けですわ」

「え、二人とも何を言ってるの? やめてよ、無茶苦茶恥ずかしいじゃない」

「あー、神矢もスイッチ入っちゃたねぇ……これはもう止まらないよ」



 そうして魔女の眷属黄泉坂朱との決闘が始まったのであった。






ツンデレ系以外のヒロインが書けない……近いうち短編を投稿する予定何でそちらもよんでいただけると嬉しいです。

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