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【8】もう1つの世界

えりまき ねぅです。

ごらん下さってありがとうございます。


◇前回までのおはなし◇

廃工場の光る石を追って、宇宙ネコと私は汽車に乗って歯車市へとやって来た。


天才アサン・ナファイル博士は一体何を知っているのだろうか。

「さて、

 今日君達がここに来た理由はココロの事だろう?


 ココロには過去の記憶がないもんなぁ

 それを調べにきたんじゃないかね?」


『そうなの!

 だからイッパイ話をするですよ』


ココロはずいぶん張り切っている


「えぇ、ココロの言う通りなんですが

 まさかココロと博士が知り合いとは思ってませんでしたよ」


「ココロとは・・

 そう、それは相当長くなるねぇ〜

 ・・話が」


「すみません、

 なるべくかいつまんで話してもらえると助かります」


『かいをつまんでお願いします』


「うんわかったわかった

 まぁ冗談だよ

 ココロがここに来たという事は

 あの工場はもう閉めたのだろう?


 さぁて、何から聞きたいのかな?」


私はまず最初にココロに初めて合ったのはいつかを聞いた。


「そうだな〜

 初めてココロの存在を知ったのはもうかれこれ・・10年にはなるんじゃないかねぇ?

 もちろん10年前の事はココロは知らないと思うがね


 だが実際に会ったのはココロが記憶を失った時だから6年前になる


 あの工場を知ってるだろう?

 あの工場は昔何だったか聞いているかな〜?」


「えぇ、あの街の人間に聞きました

 何でも罪人の処刑所だったらしいですね」


「そう、処刑所だ!

 だが本当は処刑所などではないんだな〜

 ふぅ〜ぅ、今だから言えるって感じ〜!」


『アハハハハハ!』


博士が目をバッテンにして、

おかしな言い方をしたのを見てココロは指をさして笑った。


「な、なるほど・・

 何か別のものを隠す為に処刑所という事にしてたんですね?」


「うん、そうなの!」


『まねしないの!』


ココロは即座に反応した。


私は得られる情報が濃すぎて整理しにくい予感がしたので、

1つづつ整理して聞くことにした。


「その名目の処刑場とココロが関係あるという事ですか?」


「あるというか〜

 言っちゃおうかなぁ〜どうしようかな〜

 博士困っちゃう〜」


「ここで聞いたことは公言しない事をお約束しますので

 教えてもらえませんか?」


『ナイショねナイショ!

 シーッ!なの』


「んじゃぁ言っちゃおうっと

 シーッだよ?


 えっとねぇ〜

 あれはねぇ〜

 実は〜ココロの為だけに作られた施設なんだよね〜」


『むむぅ?

 わたしの為?』


「え?それはどういう事ですか?」


「まぁちょっとアレだね

 話の順序が違うから先にこれをみてもらっていいかな?」


博士は引き出しの鍵を開けて1枚の写真を取り出した


その写真には丸い天体が写っていた


「これは?」


「10年前のだがこの星の写真だよ」


『まぁるいね!』


「えぇっ!?

 これをいったいどうやって撮ったんです?」


「もちろんロケットを打ち上げて撮ったんじゃよ?

 知ってるかな〜?

 ロケットって言うのは、わしの発明したホレ!

 今ココロが手に持ってるソレがロケットの試作品ね」


ココロはいつの間にか細長い筒を手に持っていた。


『これ?ろけっとっていうの?』


「そう、それでね〜

 ほらココをよ〜く見てごらん?

 変だと思わないかな?」


写真に写っている天体の半分が不自然に割れている


「ちょうど影になっている部分からがちょっと不自然な感じがしますね」


「そう!

 君はこれは何だと思う?」


『黒いとこは腐っちゃったの?』


「そうだねぇ

 この写真の状態は腐ってると言う表現にしてみると説明しやすい


 この現象を何て言えばいいのかな?

 椅子取りゲームで1つの椅子に2人が座っちゃってるんだけど

 審判はそれに気が付かなくて、

 ずっとその椅子には1人だけ座ったと勘違いしてたんだな

 審判には影の部分が見えなかったんだろうね


 これは半分だけに見えるけどこの星がそうである様に、

 別の星もちゃんと丸く存在してたんだろうね」


「この半分見えているものはつまり

 もう1つ別のものが存在していると言う事ですか?」


「うんそう

 そうだった!

 確かに影の部分に全く別の星がいたんだ

 最初は同じ存在がダブっていると思ったんだけどね

 共通点がまるでないのでそれはすぐ間違いと分かったよ


 すごい発見だったんだけどね〜

 なにしろ同じ場所に同時に別のものが存在してたんだから」


「してた・・という事は今はもう?」


「今はもうその存在はなくなっちゃってるんだよね〜

 だから全部憶測の域を出られなくってハイおしまいって訳


 ま〜、幸い審判に退場判定を受けたのはこの星じゃなく

 もう1つの星だったんだな〜


 1つ間違えばこの星が消滅するとこだったんだなぁ〜

 いやぁ危なかったねぇ〜」


博士はゾッとする事をまるで緊迫感のない間の抜けた言葉で言った


『ふむ〜

 ねぇ、審判って神様なの?

 もう1つの丸はどこにいっちゃったの?』


「そうだねぇ

 神様みたいなものと思っていいんじゃないかな?


 もう1つの惑星はね・・すっごく遠い所にいっちゃったんだ」


『宇宙ネコは神様はきっといると思うの

 神様に聞けば宇宙ネコがどこから来たかも

 もう1つの丸がどこにいったかもきっとわかると思うの』


「そ、そうだなぁ・・」


博士は少し困った顔で笑っていた、

その様子を見て私は助け船を出した。


「さっきあの工場とココロが関係あるって言ってましたけど

 もしかしてココロはそのもう1つの星から?」


「そう!

 ココロはまさにそこから来たんだ」


「ココロはこの星の存在じゃないんですか?」


「うんそう

 ココロは確かにこの星の存在ではないんだな〜


 だがね


 その星の存在でもないんだよな〜

 その理由はね、今もこうして存在しちゃってるでしょ?

 もしその星の存在なら存在出来ないはずだからね〜


 その先はわしもわからないんじゃよ

 なにしろ今は手がかりがなんにもないんだからなぁ」


『ちょっとショックなの・・

 宇宙ネコがどこから来たのかの謎は深まるばかりなの』


ココロはちゃんと理解してる様だ、

その口調から幼いと勝手に判断してたのは誤りだったのかもしれないな。


ココロはこの世界の存在でもなく、もう1つの星の存在でもないとすれば、

一体どこからやって来たのだろうか?


その謎はもっと深い所にありそうに思えた。


もう1つの世界、いかがでしたでしょうか?

だんだんと謎の部分を明かしていくつもりです。


次回もぜひご覧下さいm(_ _)m


  えりまき ねぅ


※2008/11/28 もう1つの世界の設定を一部変更させて頂きました


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