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【7】歯車市

えりまき ねぅです。

ごらん下さりありがとうございます。

これから徐々に宇宙ネコや工場の謎に迫って行こう思います。


◇前回までのおはなし◇

廃工場の光る石を追って、宇宙ネコと私は汽車に乗って歯車市へ向かっていた。

†歯車市†


昼前に私たちの乗った汽車は歯車市に着いた。


ココロはもちろんだろうし、私もここは初めて来たのだけど、

降りてまず駅の大きさと人の多さに驚いた。


『わぁ〜天井が大きいの!』


ココロは嬉しそうだった。


駅全体が巨大な白いボールを半分に割った様なものにすっぽりかぶさっている。

白いボールの様なものは、外の光を通している様で駅全体はとても明るい。


壁や柱はコンクリートや鉄とも違う何か別の物の様に見える、

その表面を見ると布の様に細かい編み込みがされていて

それらは見たこともない素材で出来ている様に思えた。


工業で栄えている都市とは知っていたけど、

まさかここまで私達の街とまるで違うとは驚いた。


改札を出ると大きな地図のある広場に出た。


「えーと・・大学はどこかな」


大学を探していると、いきなり目の前の地図の一点が光った。


「え!?」


『大学はココみたいなの

 それで、市場はココ〜!』


ココロは地図の下にたくさんある地名が書かれた札の横にあるボタンの1つを押していた。


どうやらこれらのボタンを押すと、書いてある地名に対応した場所が光るらしい。


光っているのは小さな丸い玉だった。

私はこの光る小さな玉をおそるおそる触ってみて、玉が熱くない事にまた驚いた。


「すごいなココロ、

 ボタンを押すと光るなんてよくわかったね」


『むぅ〜

 なんかこういう見ると押したくなるの』


確かにボタンは丁度ココロの目線にあった。


それにしても、この地図の街はきれいな形をしているな。


まず正方形を描き、更にもう1つの正方形を45度傾けて描いた様な模様になっていた。


その中心にこの駅があり、街道はこの駅から十字にのび、45度傾けた正方形の頂点に繋がっている。


大学までは少し距離がある様だ、歩いて行けないのなら馬車か何かを探さなくちゃいけないな。


私は駅の職員に聞いてみた。


「大学ですか?

 でしたら、あのバスに乗れば行けますよ」


「バス?」


駅員が指を指した先には赤い箱のような乗り物があった。


言われるまま私とココロは、バスという乗り物に乗った。


『黒い汽車はビックリしたけど

 この赤い汽車はかわいいね』


「ココロは赤い色が好きかい?」


『うん

 赤いの好きだけど

 わたしには似合わないの・・』


「そうかな?

 でも似合う赤もきっとあると思うよ」


『そう?

 似合うの探してみるの』


乗務員から行き先のキップを買えば後は目的地で降りるだけらしい、なるほどこれは便利な乗り物だ。


このバスという乗り物は汽車の様に蒸気機関で動く、馬車の様に馬は必要ないけど動かす人の他に後ろにある釜に薪ををくべる係がいた。


ココロは後ろの窓からその様子を興味深く見ていた。



やがて出発時刻になり、チリンチリンというベルの音がするとバスはぎこちなく動き出した。


窓から見える流れてゆく風景はあの街と同じ時代とは思えないな。


建物も一回り大きくて、人も汽車の類も多い。


「やぁ失敗したな

 こんな凄い所ならもっと早く来るんだったよ」


ココロはにっこりして


『ん〜ん、失敗してなんかないよ、

 一緒に来れたからよかったの

 あなたもわたしも初めてでよかったの』


暫くしてバスは大学に到着した。


帰りは道の反対側にあるバスのマークのある所から乗ればいいと教えてもらった。



大学の受付でアサン・ナファイル博士について聞いてみた。


「面会希望ですか?

 でしたら、この紙に・・」


やっぱり面会するのには手続きが必要らしい。

もちろんいきなり本人に会えるとは期待していない、

彼を知る関係者でも捕まればいいと思っていたのだが・・。


まさか本人が息を切らして走ってくるとは思わなかった。


アサン・ナファイル博士はココロを見ると大きな声で叫んだ


「おぉ〜ッ!!

 やっぱりキミか〜宇宙ネコォォ〜〜!

 久しぶりだナァ〜!


 はふ〜はふ〜!」


ココロも


『あ!あぁッ!』


と、声を上げた


「え?

 博士とココロって知り合いだったの?」


「ん?ココロ?

 っと、、失礼・・アサン・ナファイルです

 はふ〜はふ〜はふ〜・・」


博士は私の存在に気づいてくれた様だ、私はホッとして挨拶をした。


博士は想像と違い元気な老人という感じで、奇抜な服装をしていた。


博士は応接間ではなく、自分専用の研究室に案内してくれた。


辺りには博士の発明品・・ガラクタにしか見えないナニカが・・


おそらく凡人には解らない類のものがそこかしこに雑然と置かれていた。


「そうかぁ〜

 今はココロっていう名前なのか〜

 うん、いい名前だよ〜」


『そう?

 やっぱりそう思う?』


ココロは嬉しそうに両手を口に合わせて耳をくりんとまわした。


「わしは彼とちょっと話をするから

 ココロはそこらにあるおもちゃで遊んでてもいいよ?」


『うん〜?

 わたしもお話聞くのよ

 だってお手伝いだから!』


ココロは周りにあるガラク・・いや、

恐らく凄い発明品をかなり気にしていたがガマンした様だ。


おかしな博士、アサン・ナファイル博士との話はまだまだ続きます。


次回もご覧頂けると幸いです。


  えりまき ねぅ

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