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【5】二人での出発

えりまき ねぅです。

工場裏の宇宙ネコをごらん下さりありがとうございます。


◇前回までのおはなし◇

白い夢を見て、今後は主人公と行動を共にしようと思う宇宙ネコだった。

†二人での出発†


薄明るく晴れた朝、

空には薄い雲がいくつか浮いており鋭角に差し込む太陽の光を綺麗に反射していた。


私とココロは市場に出かけた。


市場には朝一番にとれた新鮮な野菜や、

魚介類がたくさん売られている。


ココロは魚介類には特に興味を示した、

私はココロがいつでもすぐ食べれる様に煮干しを買い込んだ。


しかしどうしよう、私は今日歯車市へ行く予定だけど、

数日は帰ってこれないだろうな。


その間ココロ一人で大丈夫だろうか?


5年間も一人で生きてきたココロに心配はないのだろうけど、

私はココロを心配したいのだろう。


隣を歩くココロを見ると、ココロはこちらを見ていた。


『ねぇ

 今日はどっか遠くに出かけるの?


 宇宙ネコも一緒に行くの

 きっと行かなきゃいけないの』


「え?

 よくわか・・」


私は「よくわかったね」と言いかけてやめた、

ココロにとってわかるのが当たり前だから、

驚く必要はないんだ。


それに、

ココロの心の曇りになる様な事にはしたくない。



「あ、うん、そうなんだ

 今日は少し離れた歯車市に行こうと思ってるんだけど、


 実はまだちゃんとした目的地があるわけじゃないんだよね」



『あのね、

 夢を見たの

 昔の夢かもしれないの


 それで・・

 宇宙ネコもお手伝いしたいの

 ダメなの?』


ココロはいつもの様に首をかしげて言った。


『ルンルン♪

 コロコロコロリン〜

 ヒュ〜ストン!

 はぁ〜ぃもう1回!』


ココロが変な歌を歌って浮かれているのは、

結局一緒に行くのを了承したからなのだけど。


私も実際どうしようか迷ってたからいいとして、

今ココロは自主的に行動している、

きっと、それ程の夢だったのだろうな。


朝食後、事務所の戸締まりをした。

横にはリュックサックを背負った妙にやる気満々なココロがいる。


『隊長!

 ココロ大佐は準備オッケーなの!であります!』


「ココロ大佐!?

 凄く階級高いけど私の階級はなんなんだい?」


『ハイ!

 軍曹なの!であります!』


「あぅぁ、私は軍曹なんだ

 軍曹より大佐の方が偉いんだよ?」


『オーッ!


 それじゃとっかえるの!

 ココロ軍曹は出発オッケーなの!

 大佐は?』


「もちろん準備オッケーさ

 さぁ駅に行こうか

 鬼軍曹殿」


『汽車に乗るの!

 宇宙ネコは楽しみなの〜』


ココロとの会話はいつもこんな感じで、

私が話したい時によく話しかけて来た。



私たちはこれから汽車に乗で歯車市に向かう、

駅は朝行った市場のすぐ近くだ。


駅につき、ホームにあるベンチに座って汽車を待っていた。


ココロはベンチに座ったまま、

両足を交互にブラブラしながら辺りの人や、

天井にいるハトを眺めたりしていた。


やがて重量感のある振動と共に、轟音を轟かし黒い流線型をした汽車がやって来ると、

ココロは少しビックリした様にベンチから飛び降りて指を指して言った。


『なにコレ!?

 汽車なの!?


 宇宙ネコは汽車をはじめて見たの!

 びっくりしたの!』


汽車はゆっくりと停まり、大きな汽笛の音を鳴らした。


すると、ココロは飛び上がって驚いた。

私はそんな様を見て笑った。



ココロは汽車に乗り込んで座席に座っても、

辺りを物珍しそうにキョロキョロしていた。


よっぽど珍しいのだろう、

きっと動いたらまた一騒ぎだろうな。


予想通りに汽車が通り動き出すと、

ココロもそこら中を走り回り私は爆笑した。


『いてもたってもいられないの!』


ココロが目にするものは全てがはじめてのものばかりだった。


今回は宇宙ネコに少しエピソード的なものを与えてみました。


今後、新たな地で主人公と宇宙ネコは色々なものと出会ってゆく予定です。

またお付き合い頂けると幸いです。


  えりまき ねぅ

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