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【2】宇宙ネコ

えりまき ねぅです。


ご覧頂きありがとうございます。

初の公開で道理もわかっていないので、せめてなるべく見やすい様に心がけました。


◇登場人物◇


【宇宙ネコ】

過去の記憶がない青く美しいネコ、耳が長い。

自分の過去を知りたがっている。


【私・ボク】

読者的な視点。

宇宙ネコの過去を調べる事を引き受けた。



◇前回までのおはなし◇


私は工場裏に住む宇宙ネコから過去を調べて欲しいと依頼を受けた。

調べていくうちにあの工場周辺の事が少しずつわかっていくのだが・・。

私は宇宙ネコに、クッキーの四角い空き缶を使って、玉転がしゲームを作ってあげた。


迷路に所々穴が空いていて、手で傾けて玉を落とさずにゴールまで転がしていく。

単純だけど意外と面白いゲームだ。


『コロコロ?

 これくれるの?』


宇宙ネコは初めて見るらしく、

暇さえあればずっと玉を転がして遊んでいた。


『この丸きれい!

 なんていう丸?』


丸とは迷路の玉の事だろう


「それかい?

 ビー玉だよ」


『びーだま…

 びーだまかぁ!』


宇宙ネコはビー玉を指でつまんで目に近付け、窓の外を見たり、部屋の物を見たりしていた。


「ビー玉面白いかい?」


『これ!

 宇宙ネコの宝物にするの』


そう言って宇宙ネコはビー玉をつまんだまま、クッキーの空き缶の迷路をゴールまで這わせた。


「ちょっと出掛けてくるよ、

 夕方までには戻るから」


『行ってらっしゃいませ』


宇宙ネコは手を振った。


私は宇宙ネコのいた街に向かった。


宇宙ネコは、

まだあの工場が、正常に運営されていた時にやって来ている。


宇宙ネコの影響は、おそらくあの土地が関係しているんだろうけど、

従業員になぜ、そこにいろと言われた理由がわかっていない。


廃工場の辺りは全く人気がない。


町の人達は近づかない様にしているらしいし、

他に何がある訳でもないから、

宇宙ネコか、工場にでも用事もなければここに来る理由はない。


町からここへは左が山を削って道を作った為崖、

右がそのまま谷になっていて道は一つしかない。


行き止まりが工場の門になっていて、

工場の塀は高く左右にのびて工場を一周している。


工場の塀は、工場の朽ち始めた建物と相まって不気味に見える、

いくら好奇心の強い子供達でもここへは来ないらしい。


工場を回り込むと、

その先に宇宙ネコの小屋が見えた。


誰もいなくなって、辺りは以前より増してひっそりとしていた。


私は入り口のはめ込み式の戸をあけてみた。


部屋の中には、古いテーブルと椅子、そして窓際にベッドがある。

テーブルの上には、古いランプが置かれていた。


ベッドとは反対側の壁には、レンガを積んで作った小さな暖炉が配置され、その上がオーブンになっていた。


「宇宙ネコは

 こんな寂しい所に5年も住んでいたのか」


宇宙ネコは、多分もうここには戻らないだろうけど、

私は入り口の扉をしっかりと閉めた。


雑貨屋の前を通り過ぎると主人が走って出てきた。


「あんた!

 宇宙ネコがいなくなったみたいなんだが

 知ってるかい?」


「えぇ、

 私のうちにいますよ」


「ほぉ〜

 不思議な事もあるもんだなぁ、

 散々こっちに住んだらって皆で誘ってたんだがね


 何か理由があるとかで、

 あそこを離れようとしなかったんだよ」


「あぁ、

 工場の人に言われてたからだそうですよ

 そこにいろってね」


「そうなのかい?

 工場にはもう誰もいなかったのにねぇ」


「宇宙ネコは、

 誰もいない事をずっと知らなかったみたいですよ」



「じゃぁ・・

 何年も不必要な言い付けを守ってたのかい?

 かわいそうになぁ」


「しかし、

 なぜずっと居ろなんて言われたんでしょうね?」


「さぁねぇ〜、

 あの工場が何だったのかすらわからんしなぁ

 やっぱり、関係者に聞くしかないだろうね」


私はあのイヌの警備員をまた訪ねてみた。


以前いた畑に彼はまだいた


「やぁ、

 いつかの人だぁ〜」


私は挨拶をして、宇宙ネコの事を聞いた


「宇宙ネコが来た時の事、

 詳しく聞かせてくれないかい?」


「宇宙ネコが、

 何であそこにいたのかはわかんないけど…


 やって来たのは工場閉鎖の噂が出てからかなぁ〜?


 閉鎖の噂で組合が騒いだ言があってねぇ、

 工場長はそんな事はないって言ってたけどさぁ〜」


工場についても聞いてみた


「あの工場って、

 何を作っていたんだい?」


「あの工場が何かって?

 光る石を作ってたんだよぉ〜」


「光る石?」


「んだ、

 あそこの地下にはね

 光る石の材料があるんだってさぁ〜


 ふわふわしたもんらしいんだけど、


 それを固めて石にしてたんだよぉ〜

 綿飴みたいだよねぇ〜」


「光る石は何に使うもの?」


「さぁねぇ〜

 何に使うかまではわからないなぁ〜」


「その光る石の名前って何て言うの?」


「検品表には<石材>って書いてあったなぁ

 あの工場から、

 どっか別の場所へ運んでたみたいだよぉ」


「その石の行き先は?」


「<歯車市>って書いてあったけど、

 多分そこの研究所だろうねぇ〜


 歯車市には、工場もたくさんあるから

 きっと何かに使うんだと思うよぉ〜?」


私はイヌの警備員の元を後にした


そうか…

工場は光る石を作るための施設で、

何かしらの理由でもう作る必要がなくなったか、作れなくなった。


そして、

解雇をスムーズに行う為に、宇宙ネコは利用されたんだ。


みんな使い捨てか…勝手な話だな

よし、明日にでも歯車市に行ってみるか


いかがでしたでしょうか?

少しでも気に入ってくださる方がいらっしゃいましたら光栄に思います。


  えりまき ねぅ

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