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不思議な部屋  作者: 竜胆
36/40

主病

文の病名が判明します。

朝起きたら、つけていた電気は消されていた。深夜の見廻りの看護師さんか看護助手さんが消して下さったのだろうと思った。

七時を過ぎていた。カーテンを開けたら、外は晴れていた。引き出しから日記帳を取り出して、睡眠時間、天気、気分を記号で書いた。○と書いた。


洗面所で顔を洗い、肌のお手入れをして歯を磨いた。パジャマを脱いで、洗濯カゴに入れた。部屋着に着替えて顔にお粉をはたいてリップクリームを塗り、ニット帽を被り首にタオルを巻いて、ジャンバーを羽織りポケットに煙草とライターと携帯を入れて、エレベーターで一階に降りて外に出たら、太陽の陽射しが眩しかった。喫煙所まで歩いて行き、無人の方のベンチに座って煙草を吸う一本ゆっくりと吸った。朝一番の煙草は効くな、と思った。


病棟の部屋に入って戻って、洗面所で石鹸で手を洗い、うがい薬でうがいをした。

そろそろ朝ごはんの時間だな、と思い部屋を出て食堂に歩いて行った。食堂には、すでに二人組みがテーブルについていて、私のお盆も置いてくれていた。お礼を言ってから、「いただきます」と言ってから、ゆっくりと食べ始めた。

「何時に退院なさるのですか?」と闊達な女性に聞いたら、「断酒会の集まりが終わった後になるから、その後に先生と話をしてから退院するよ」と言われた。ほっそりとした女性は、静かだった。別れが寂しいのかな、と思った。


食べ終わり、二人と分かれて部屋に入って戻り朝薬を飲んでから歯を磨いた。

部屋をノックする音がして返事をしたら、主治医の先生だった。私は先生に珈琲を淹れて、父の金沢土産のお菓子を出した。先生はパイプ椅子を出して座っておられた。

「ありがとうございます」と言って、珈琲とお菓子を先生は召し上がられた。

「試験外泊はどうでしたか?」と問われて、「私なりに考えて、無理をせず、頑張らずにと考えて過ごしましたが、やはり気を遣って疲れました」と答えた。「どのように過ごしましたか?」と問われて、「帰った日には、母が私の好物の鍋をしてくれました。土曜日は友達と温泉に行きました。晩ごはんは母と一緒に餃子を作りました。日曜日は隣町の水源に行って、お昼は母の好きなのお蕎麦屋さんに行って、ドライブをして、喫茶店にて立ち寄ってから病院に戻りました」と詳しく説明をした。「ご両親とは話せましたか」と問われて、「少しだけですが話せました」と私が言うと、「それは良かったです」と、先生は仰った。「あなたの病気を治すには、ご家族の支えが必要になります」と仰ったので、私は自分の病が何であるか、思い切って先生に尋ねてみる事にした。「先生、私の病名を教えてください」と私は言った。先生はしばらく時間を開けてから、「あなたの病気はうつ病です」と仰った。私はうつ病と聞いても、どの様な病なのか分からず、ただ先生の顔を見ていた。先生は「うつ病は必ず治る病気です」と仰られた。私は先生の言葉を信じる事にした。

先生は、パイプ椅子を片付けられて、「ご馳走さまでした」と言われてから、部屋を出て出て行かれた。入れ替わるように日勤の男性の看護師さんと男性の看護助手さんが部屋に入って入って来られて、検診と問診をなされた。

私はうつ病ってどんな病気なんだろうと考えていた。。。


引き出しから日記帳とカウンセリングノートをと取り出して、カウンセリングノートに、先生から言われた病気の事を書き、日記帳には病名が分かったけれど、どんな病なのか分からないと書いた。

母に電話を掛けた。「主治医の先生から、うつ病って言われたの。でもどんな病気なのか分からない」と私は母に言った。母は「先生から聞いたのね。文は入院した時に、先生から『うつ病です』と言われていたの」と言うのだった。「そうだったんだね。。。」と私が言うと、母は「かならず治るわ」と私を励ましてくれた。サクラが鳴いていたから、名前を呼んでやった。電話を切ってから、私は漠然とした不安感に襲われていた。精神科に入院しているから、何かしらの心の病気だとは薄々感じてはいたが、病名を告げられてショックを受けていた。


気分を変えたくて温室に行く事にした。ニット帽を被り首にタオルを巻き、ジャンバーを羽織りポケットに煙草とライター、携帯をいれてエレベーターで一回に下りて外に出て出て、温室まで歩いて行った。「おはようございます」と外から声をかけて掛けたら、人が近付いて来てる扉が開いた。庭園管理の男性だった。「苗の植え替えをしているんだよ。してみるかい」と言われて、私は「したいです」と行って、男性から軍手をして借りた。植木鉢に植えて花苗を寄せ植えにする作業だった。やり方を習ってから、わたしは無心になって寄せ植え作りをした。二人で作業を終えて、男性から「何か飲み物を買いに行こう」と言われて、私は軍手をして手から外して、温室の入り口にある水道で手を洗った。男性に軍手を返した。男性も手を洗っておられた。


二人で病院内にある、憩いのスペースに並んでいる自販機から、男性はホットコーヒーを買い、私はホットのレモンティー選び、男性に買って貰った。「ありがとうございます」とお礼を言った。

二人で憩いのスペースの窓ぎわのテーブルの椅子に腰掛けて、冬越しの作業が終わったら薔薇を見ながら飲み物を飲んだ。レモンティーは甘かったが美味しかった。

「楽しかったです。寄せ植えした花たちは、病院内に飾るのですか」と私が男性に尋ねると、「そうだよ。手伝ってくれて助かったよ。慣れていたね」と言われて、「観葉植物を育てていて、大きく育ったら鉢が大きいのに植え替えします。観葉植物の寄せ植えもしているのです」と話した。

「ご馳走さまでした。気分転換出来ました」と礼を言ってから、私はギャラリーへ行き、首に巻いていたタオルを巻いて外して中に入り、記帳してから、展示物を見て回った。今回は市内の美術コースの高校生が描いた絵画が展示されていた。若い子感性に圧倒されながら、作品を見て回った。入り口、中央、奥に生け花が生けてあった。生け花もよく見て、こんな生け方もあるんだ、と学んだ。

気分転換が出来た。


喫煙所で一服してから病棟の部屋に入って戻り、洗面所で石鹸で手を洗い、うがい薬でうがいをして、机の引き出しから日記帳を出して、母と電話で話した内容や、温室で寄せ植え作業をした事、ギャラリーへ行った事を書いた。


部屋をノックする音がして返事をしたら、ほっそりとした女性だった。部屋に招き入れて、珈琲を淹れて渡した。パイプ椅子を出してあげた。

「退院祝いを一緒に買って渡さない?」と言われた。「いいですね、ちょっと着替えてもいいですか」と言ってから、クローゼットからセンターとコーデュロイパンツを出して浴室で着替えた。部屋着を畳んでベッドの上に置いた。マフラーを巻いて、母から借りているジャケットを羽織り、小さな引き出しの鍵を開けてお財布を取り出し、バッグにお財布とハンカチ、煙草とライター、携帯をいれてから、ほっそりとした女性に「用意が出来ました」と言った。

二人で近隣外出届を書いて、近くのショッピングセンターに行き、様々な品物を見て回った。花屋さんに行ったら、立派なシクラメンが売られていた。値段は千円しなかった。私が「これはどうですか」とほっそりとした女性に聞いたら、「いいね!」と言われたから、花が多いのを選んでレジに持って行き、ラッピングして貰っている間に、二人でメッセージカードを書いた。

二人で交代しながら鉢を持って病棟まで戻り、帰って来た時間を届に記入した。二人で話し合って昼食後に闊達な女性に渡す事にした。私がそれまで預かる事になった。


洗面所で石鹸で手を洗い、うがい薬でうがいをして、部屋着に着替えていたら、昼食を知らせるチャイムが外から聞こえて来たから部屋を出て食堂まで歩いて行った。

二人はまだ来られていなかったから、みなの分のお盆をテーブルに並べて、二人が来るのを待った。「文ちゃん、ありがとー」と二人は食堂に来られた。「ごめんね、息子から電話が掛かって来てさ」と闊達な女性は謝られた。「気にしないでください、食べましょう」と二人に言った。

「いただきます」と言って、闊達な女性との最後の食事を食べ始めた。メインのメニューは豚肉の生姜焼きだった。ほっそりとした女性はオカズやご飯を闊達な女性に食べて貰っていた。私はゆっくりと全ての料理を食べた。


食後に闊達な女性に声を掛けて、私の部屋に寄って貰った。ほっそりとした女性に鉢を渡して、闊達な女性に手渡すように小さな声で耳打ちした。ほっそりとした女性が「退院おめでとう!これ、私たちから」とラッピングされたシクラメンの鉢植えを渡すと、闊達な女性は驚かれた後に、笑顔になられた。「二人ともありがとう!」と言われた。三人でニコニコと笑顔になった。「見送りも出来たらするね」とほっそりとした女性が言われた。


二人が部屋を出られて昼薬を飲み歯を磨いた。

陶芸の時間まで本を読んで過ごした。

ドアがノックされて返事をしたら、作業を療法士さんが「陶芸に参加されますか」と聞いて来られた。「はい」と返事をしてから、一緒に食堂まで歩いて行った。他の参加者が来るのを待って、看護師さんと作業療法士さんと患者三人で裏側からエレベーターに乗って、二階の食堂にて行った。

日本人形のような面立ちの女性と看護助手さんは座っておられた。みなで陶芸をする部屋まで、途中何度も鍵を作業療法士さんが開けながら、通路を進んで行った。

男性の作業療法士さんは部屋に入っておられて、陶芸に使う道具などを台の上に出されていた。

私は乾燥させていたお湯呑みを受け取り、新聞紙を敷いて紙やすりで削りの作業をした。目が粗い紙やすりでまず削り、仕上げに目が細かい紙やすりで削った。外側、内側、口に当たる部分、高台を無心になり削り終えたら、削った砂が大量に積もっていた。削り終えたお湯呑みを男性の作業療法士さんに手渡して、チェックして貰った。「いいですね」と言われたので、「釉薬は柿釉で色づけして下さい」と頼んでから片付けをした。最後の陶芸の活動をだったな、物足りないな、退院してもまた陶芸をしたいなと思った。

日本人形のような面立ちの女性が前回、釉薬を手で飛ばしてる彩色したお皿は見事な出来だった。彼女の感性の豊かさが出ていた。


陶芸の時間が終わり、部屋にもどり洗面所で石鹸で手を念入りに洗い、うがい薬でうがいをした。

部屋をノックされて返事をしたら、ほっそりとした女性が、「退院するみたいだから見送ろう」と言われた。部屋の外に出たら、断酒会のメンバーの患者さんも闊達な女性を見送りしておられた。励ましの声が掛けられ、拍手も起こっていた。

私たちは、闊達な女性を駐車場まで見送った。二人は会話はなく、車まで手を出して繋いでおられた。舅さん、息子さんから頭を下げられたから、私も頭を下げた。車が見えなくなるまで手を振って見送った。


「寂しくなりましたね」とほっそりとした女性に言ったが、スタスタと病棟に帰って行かれた。私は喫煙所にいる行き煙草を吸った。寂しいな、でも目出度いことだなと思った。闊達な女性の幸せを祈った。


病棟の部屋に戻り、洗面所で石鹸で手を洗い、うがい薬飲んでうがいをした。

陶芸で疲れていたし、闊達な女性が退院したら寂しさで混乱して気疲れしていた。

ベッドに横になり、そのまま寝てしまった。

「文ちゃん」と声を掛けられて、目を覚ましたらお洒落な看護助手さんだった。「晩ごはん、食べれる?」と聞かれて、「はい、起きます」と言って、ゆっくりとベッドから起き上がった。彼に「父の金沢土産です」と言ってお菓子を渡した。「俺、甘いもの好きなんだー、ありがとう」と言われた。「痩せておられるのに、甘党なんですね」と言いながら、私はカーディガンを羽織って、彼と一緒に部屋を出て食堂に向かった。


ほっそりとした女性は、ほんの少しだけ食べてからぼんやりとしておられた。私は掛ける言葉も思いつかず、自分の食事を食べる事に集中した。静かな食事時間だった。二人はいつも楽しそうに会話をなされていたな、特別な関係だったんだろうな、と思った。


部屋に入って戻り夕薬を飲んで、明日から食事の時間にほっそりとした女性と何を話せば良いのか悩んだ。悩んでも仕方がないと思って、看護師詰め所に行き、シャンプーと類とドライヤーを出して貰い、部屋に戻り扉に鍵をかけて、引き出しから入浴剤を出して、クローゼットからバスタオル、タオル、下着、パジャマを取り出して、部屋着と下着を脱いで洗濯カゴに入れた。浴室にシャンプー類と入浴剤を持って入り、シャワーカーテンを引いて浴槽に立って頭を洗い、身体も洗って、シャワーを浴びた。浴槽をシャワーで流してから、お湯を溜めて入浴剤を入れて湯舟に浸かってぼんやりと何も考えず頭の中を真空状態にさせていた。いい加減上がるか、と湯舟のお湯を抜き、バスタオルで髪と身体を拭いて、顔のお手入れ、身体にはボディクリームを塗って、浴槽を洗ってシャワーで流して、濡れた床をバスタオルで拭いた。洗濯カゴにバスタオルを入れながら、明日洗濯しようと思った。

下着とパジャマ、カーディガンを羽織って、髪をドライヤーで乾かした。看護師詰め所にシャンプー類とドライヤーを返しに行き、部屋に戻って就眠薬を飲んで歯を磨いた。ベッドに日記帳を持ち込んで、午後からの出来事を書いた。そのまま寝てしまった。



うつ病と主治医の先生から伝えられて、やはり精神病なのか、と動揺しました。。。


お読みくださり、ありがとうございます!

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