夢のつづき
「夢」の関連話です。その後、ちょとずつ話が展開していければ良いなと思います。
精神科病院に入院した経験をもとに書きます。
特殊な話になるかも知れません。
それらを前提としてお読みくださると嬉しく思います。
よろしくお願いいたしますm(_ _)m
意識が浮上して、私は目を覚ました。
いつの間にか私の横に座っていた男性が、そっと紙カップに入ったお水を差し出してくださった。
私は紙コップを持とうとしたが、手に力が入らず、また震えていて持てなかった。その男性が私の口元に紙カップを近づけてくれて、私は水を少しずつ飲んだ。
本当に美味しい水で、甘露とはこれだ、と思った。「すいませんがもう一杯ください」と、しわがれた声で私はお願いした。男性は「いいですよ。ゆっくり飲んでください」と優しく声を掛けてくれた。
私が目覚めた部屋には窓がなかった。ただお布団しか置いてなかった。
また、私は眼鏡を掛けておらず、極度の近眼である私には、室内はぼんやりとしか見えない状態であった。
「文が目を覚ましたー」と、父が泣きながら部屋に入って来て驚いた。
「何か欲しい物はないか」と聞いてくるので、西瓜を食べたい、と言ったら父は大玉の西瓜を買って来てくれた。カット西瓜で良かったのに。。。母と妹も大泣きしていたが、なんだか他人事のように感じていた。
意識が混濁している中、時々目が覚めていたようで、手足を拘束されて、入り口にある小さな監視する為の窓の外に男性の姿があった記憶がある。
また夢の世界に入り込んで、何が現実なのか判断が出来ない状態だった。
不思議な部屋での目覚めの翌日に、どうやら医者らしき男性が私がいる部屋にいらっしゃった。
意識が混濁している最中に私は精神科病院に、再び救急車に乗って移されていたのだった。
この時点では、精神科病院に移されている事を私は知らなかった。
私が先生に最初に言ったのは、私は男性恐怖症で、男性の先生は無理です。前の病院の女性の主治医の先生のところへ戻してください、との訴えだった。先生は苦笑いをなされていた。この先生がその後私の主治医になられた。
その不思議な部屋には一週間ほどいたようだ。私がどれ位意識を取り戻すまでに時間があるかかったのか、分からないので、たぶん一週間くらい居たように思う。
看護師さんにお風呂に入れてもらった。私が腰まで伸ばしていた髪は鳥の巣状態になっていた。それを丁寧にといてくださった。
そして生理が来てしまって困っていたら、お風呂に入れてくれた看護師さんは、私物の生理用品を分けてくださった。
その不思議な部屋は、「隔離室」と呼ばれている部屋だと後になって知った。
閉鎖病棟に移って、入った部屋は個室だった。立派なホテルのような部屋だった。
まだまだ私の意識は混乱していて、ぼんやりとしたままふわふわと浮ついた心情だった。私のことを、まるで妖精のようだね、と同じく入院しておられた男性患者さんから言われていた。
いま思うに、精神病院は外の世界から隔離された箱庭のような存在だ。
精神病院の話をまだ少し続けてみたい。
精神科病院では、さまざまな出会いがありました。うまく表現出来るよう頑張ります。