018.オウゾ王国と同盟、そしてイコヌ王国を救う
「カスヤ。我が輩、このたびソフィーを妃として迎え入れることになった。感謝しているぞ」
チャライダサイ三世は、同盟書に魔法刻印をしながら笑った。
「いえいえ、国王陛下の純粋な気持ちが彼女に伝わったんでしょう」
悪役になりきり、ソフィーとチャライダサイ三世の仲を取り持った和也は、ソフィーから巻き上げた金をチャライダサイ三世へと返した。
といっても彼女にはもう金よりも価値のある人生が待ち受けているわけで、和也の懐にしまってもよかったが、やはり間違ったやり方で金を得るのには抵抗があった。
和也は根は善人である。
ソフィーに暴力を振るうときはいつも心が痛んだが、同盟のためには仕方がないと悪役になりきったのだ。
「あの、ソフィーは俺に対して何か言ってますか」
「あの最低男がいなければ本物の愛は探せなかった、と言っている」
チャライダサイ三世は笑う。そして金の笛を和也に手渡した。
「これは?」
「これがあれば我が王国の軍隊をいつでも呼べる。そしてそれは他の同盟国にもすぐ伝わる。魔王軍と衝突したらすぐにこれを吹いてくれ」
和也は笛を革紐に通し首にかけた。
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和也一行はオウゾ王国を出て、イコヌ王国を目指した。
フパイラーンは速度をあげて、ドラゴン兵士たちもそれに着いてくるかたちで、あっという間にイコヌ王国にたどり着いた。
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イコヌ王国についてはチャラダサイ三世から話を聞いていた。
王国の北側の一部をギゼヌ魔王国に攻撃され、今まさにこの瞬間も一進一退の攻防戦が繰り広げられてるという。
和也らはオウゾ王国とイコヌ王国の国境地帯に降り立ち、防壁魔法をつつき、同盟の旨を話した。
「我が国の北方領土がギゼヌ魔王国の髑髏兵に陥落させられそうなのだ」
イコヌ王国の国王、ケナサイネ七世は、和也たちを王宮に招き入れると泣きながら言った。
「こちらには火竜フパイラーンやアデル・キルシュタインをはじめとする有力な魔法戦力があります。ただちにギゼヌ魔王国を退けましょう」
和也がそう宣言した三日後。
イコヌ王国は北方領土を取り返し、ギゼヌ魔王国は撤退した。
そしてその翌日、メクソリンダス王国、ファジー共和国、オウゾ王国、イコヌ王国の四カ国同盟は成立し、三つの魔王国に宣戦布告をした。




