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バッドエンドルート  作者: 横島 こころ
入り口
1/1

バッドエンドと道標と


「何も、わからなかった。」


 少女はぼんやりと夜空を見上げる。


「何も、できなかった。」 


 彼女の視線の先には、黒い雲が月を隠してぼんやりと光っている。


「明日は何が起きるの?」


 けれども彼女の目にはそんなものは映っていない。


「明日は何を失うの?」


 彼女の目に映っているもの、それは絶望。


「明日が、怖い。」


 彼女の頭をそっと撫でる。シャンプーの匂いなのか、ほのかに甘い香りがする。


「未来が、怖い。」


 恐らく、頭を撫でたことに、彼女は気づいてはいない。


「誰か教えて。」


 何かにすがるように、呟く。


「明日は私に何をするの?」


 今にも泣き出しそうなその横顔を、僕はただ見つめることしかできなかった。

 

 じゃあ、僕は帰るね。


 きっとこの声も届いていないのだろう。彼女はなんの反応も示さない。僕は座っていたベッドから立ち上がった。部屋を出る際、もう一度彼女を振り返る。


 窓の外を見つめる、少女をいとおしいと思うとともに、




ーーー行き場のない怒りが心を満たした

 


 



 

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