第7話 女神の騎士が持つ聖剣があまりにも凶悪すぎてひどすぎる件
防具の性能がかなり良かったから、聖剣に関しては正直聞きたくないけど聞かないと対策も立てられない。
というわけで、
「聖剣についても頼む」
「では、聖剣に関してですが―――」
聖剣は予想以上にひどい性能だった・・・
聖剣
材質:ミスリル銀
切れ味:鉄が豆腐よりも簡単に切れる
頑丈さ:今まで折れたり曲がったりしたことが無い
軽さ:羽毛
属性:死
魔族特攻
魔法除去(刃に触れることが発動条件)
麻痺・呪い付与(魔族限定)
精神・霊魂直接破壊(魔族限定)
周囲の魔力生命力吸収(魔族限定)
周囲の戦闘能力が低下(魔族限定)
復活・蘇生できなくなる(魔族限定)
距離に応じて魔王の戦闘能力減退
一定時間、再生能力封印(魔王限定)
聖剣?
うん、魔族や魔王にとっては脅威の何物でもないから聖剣と言えなくもないけど・・・
魔族キラーとかそっちの方が似合ってない?
というか聖剣なのに属性が死って何だよ!?
俺、ゲーム好きだけど死なんて言う属性見たことないんですが!?
「なぁ、聖剣の属性が死っておかしくないか!?普通は聖とか光だろうが!!」
「そんなこと、言われましてもですじゃ・・・」
「・・・ところでルシアたんと話してた時と口調変わってないか?」
「こういった口調に憧れてましてなぁ」
「・・・似合ってないからやめて?」
「・・・畏まりました」
ナイスミドルなおっさんが「ですじゃ」とか「のじゃ」ってのはちょっと違和感あるんだよなぁ。
聖剣の特殊効果聞いてて思ったことがある。
それは『復活・蘇生できなくなる(魔族限定)』だ。
つまるところ・・・
「魔王の復活、蘇生ができなくなるってことは蘇生とか結構簡単にできるってことか?」
「聖剣とは誠恐ろしいものですな。魔族限定とはいえ『精神・霊魂直接破壊』の効果でしょうな。蘇生は条件付きですが宝物庫にあるエリクサーを使えば簡単にできます。とはいえエリクサー自体が貴重なため簡単に蘇生できるとは言えませんが・・・」
「条件?」
「死亡後の経過時間です。種族によって変わってきます」
「ちなみに俺の場合?」
「一年以内なら余裕ですな」
「人間だと?」
「まちまちですが丸一日位と聞いております」
エリクサーってこの世界にあるんだ!
すげーって思ってたら驚きの事実がエルロンドの口からぽろっと出てきた。
「とはいえ、魔王様は聖剣で殺されない限り単体で蘇生できるのですが・・・」
「えっ!?」
「この記憶も失われたのですか・・・」
単体で復活?
「魔王様は例え死亡したとしても一定時間経てば復活できます」
ルシアたんの装備はチートだと思ってたけど、俺自体も相当チートのようだ。
「というか、魔王様に限らず一部の上級魔族は一定時間経つと自力で甦れますが?」
「ちなみにエルロンドは?」
「私の種族は残念ながら自力での蘇生はできません。後、自力で蘇生できるといっても限度がありまして、死体の損耗があまりにもひどいと蘇生できない場合があります」
「ちなみに俺は?」
「どんなに損耗がひどくとも100年あれば自力で復活できるかと」
俺はなかなかハイスペックなようだ。
それはさておき、これを女神様が貸し出すとか、どれだけ魔王を含めてだが魔族の事が嫌いなんですかね。
属性が聖とか光じゃなくって死という時点で殺る気しか感じられなくって恐怖を感じましたね。
効果もまさに魔族ぶっ殺すでーすって感じでひどすぎる。
というか、本当に女神なの?邪神とか破壊神とかじゃねーの?
俺は頭を抱えてしまった。
ルシアたんの装備、やばすぎでしょう。
特に聖剣。
スルーしてたけど『精神・霊魂直接破壊(魔族限定)』って相当ひどいものなんじゃないかな?
「エルロンド、『精神・霊魂の直接破壊』ってのは?」
「深く斬られたら廃人になるとお考え下さい」
Oh・・・
え?
深く斬られるだけでで廃人?
凶悪にもほどがあるでしょう・・・
「エルロンド、ありがとう。よく理解できた・・・」
「いえ」
エルロンドが笑顔をこちらに向けてくれた。
うん、心の中で叫ぶかな。
ルシアたんの装備凶悪すぎぃぃぃいいいいいいいいいいいいいいいいいい!!!!!!!!
ないない、なんだよこの女神の凶悪な装備品たち。
特に聖剣。
本当に女神がこんなもの渡すの?
どんだけ女神さまに恨まれてるんだよ・・・
まぁ、これだけ聖剣がヤバい代物なら、記憶がぶっ飛んだって言っても信じてもらえるだろう。
というか、信憑性ありすぎる。
実際は中身が違うんだけどね。
さて、それじゃあ最初の質問に戻るかなぁ。