序章 運命の始まり、さよなら現実
今日は大好きなゲームの続編が発売される日であり、予約していた初回限定版が届いた素晴らしい日だ。
初回特典としてヒロインのリリア人形が付属されている。
そしてテンションが極まった俺は急いで梱包を開き遊びまくってたら、いつの間にか日付が変わる直前になっていた。
「うっひょ~!やっぱりリリたん最高!!」
やはり、メインヒロインのリリたんは格が違った。
主人公がどんな苦境に立たされても寄り添い、支え、決して裏切ることなく助け続けた。
俺もこんな彼女が欲しいぜ。
「ちょうど切も良いし、寝るかな」
ゲームの続きは明日の楽しみと考えて、俺はそろそろ寝ようと思い、ベッドに向かった。
ベッドは二段ベッドで下の段は物置として使われている。
つまり、上の段が俺の寝床なんだが分厚い贅肉という名の鎧を纏っている俺にはこの昇るという行為は非常に負荷の大きい運動だ。
一回昇るごとに息が切れるほどにね!
今日も頑張って二段ベッドの上段の手すりに手をかけた。
その瞬間、いつもと異なるバキッという嫌な音と同時に物凄く嫌な浮遊感が俺を襲った。
「ほあぁ!!?」
俺は変な悲鳴を上げながら床へ落下し、ちゃぶ台の角で後頭部を強打し、俺の意識は吹っ飛んでしまった。