始まりは唐突に -start a job search!- 3.就職活動ヲ、遂行セヨ〈上〉
葛城の母は超能力者だ。マジで。
テレビでは話題が尽きず、お茶の間の人気者の座を獲得している。
彼女が「モノホンの」超能力者だと発覚したのは、2年前の事。
人体切断マジックの事故で本当に切断されたしまったが、なんと無事に生還。
床に血液が飛ぶ様を見て観客席からは悲鳴が上がった。
彼女は凝ってる演出だなぁと思っていたのだが、自分の下半身がやけに遠くにあることに驚愕、
「死にたくない!」そう思った瞬間だった。完璧に切断された身体はくっ付き、
床の乾きかけていた血は傷に吸い込まれ、彼女はもとどおり。気絶していたそうだ。
「働け」(働け)(働け)(働け)(働け)(働け)(働け)(働け)(働け)
「やだよー!助けてよママー!」
「ママは目の前だ」
そう言って、「パート、アルバイト募集」「いっしょに働きませんか?」といったような
就活がかなり迅速に終わりそうなチラシを差し出した。どうゆうわけかとりわけ肉体労働が多い。
「いやなら、資格取れ」
「こまいぬ市立図書館」というバーコードが貼り付けられた資格関連の本が袖からたくさん出てきた。
超能力は袖に四次元空間を生成することもたやすい。もうやだこの親。
というわけで、葛城は就職活動に励むこととなった。
続きは、「4.就職活動ヲ、遂行セヨ〈下〉」で。