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始まりは唐突に -start a job search!- 2.母は偉大なる超能力者
どがしゃぁっ、ずどぎゅーん。だだだだだだ。ずばっしゃきん。
「ブラックドラゴンα型を討伐しました」「クエスト達成です」
「いよっしゃぁぁぁぁ!!!!!」「やったぞ!」「キター!」
ヘッドセットを歓声が駆け巡る。葛城は笑顔で、椅子の背もたれに身を任せていた。汗だくだった。
「ついにやったな、たかし!」
池田からメールが来た。実名はネットで晒せない。
「たかしではない、葛城だ」「誰よりも速く、クエスト達成だ!それも無課金で」
葛城はそうメールを打ち、送信した。それと、ほぼ同時だった。玄関の呼び鈴が鳴った。
葛城は震え上がった。達成感を感じる爽やか(?)な汗は冷や汗に変わった。
(ファミチキください、じゃなくて)
「あひゃっ!」
(就活やってる?たかし)
「あ・・・あああ・・・」
「は・・はは・・っ母上様ぁ!!」
べごんっ!ドアの蝶番がねじれて千切れた上に、ドアそのものまで破壊された。
「わざわざテレパシーを送るのも面倒だわ。そして」
「就活やってない、でしょ?」
続きは「3.就職活動ヲ、遂行セヨ〈上〉」で。