efforter
え〜
ヒドイです。表現出来ないほど酷いです
無理して表すと
オムライスに醤油をかけ、塩を加えた時の周りの視線ぐらいヒドイです。
男はただただ、走っていた
目的地は遥か彼方
車で行っても大変な距離………
でも……どうしてもそこに行きたかった男は……とんでもない事をした
「俺は親から貰った足がある!!」…そう、走り出したのだ。
男は考えた
「一日中走れば直ぐに着くだろ……」
走った………一睡もしないで
……直ぐに倒れた
男は反省し…
「ヤッパリ、休みながら行こう…」
…と、また走り出す。
お金が無かった男は、飯も満足に食わなかった…
それでも走り続け、
また……倒れた
気づけば病院だった
「あなた未成年ですね?
親に来てもらわないと帰せませんから……」
医者は機械的に、そして冷たくいい放った
……直ぐに親が来て男を連れ帰った…
親は男に言った
「なにも、あんな遠い所、今行かなくてもいいでしょ?
大人になってからいきなさい。」
男は何も言い返せなかった
惨めだった
誰よりも
醜くかった
何よりも
そして、誰より何より
悔しかったのだ
男は再び家にいた、振り返れば
用意された食事に暖かい家族
自分の居るべき場所がここにはある
だが、男は感じた。
虚無感
敗北感
挫折感
疲労感
焦燥感
その他、これ以上にないくらいのマイナス感情を合わせ持った自分を……
気づいたら……
親に頭を下げてた
「ヤッパリ、俺行きたいんです……馬鹿でもなんでもいいです。
だけど……アソコにだけ行かせてください。」
………親の顔は見れなかった
親はいらついていた
「あなたは、今自分でなにを言ってるか分かっているの?
行くためのお金も無いし。
行ってどうするのよ?」
………だが知っているつもりだった。男はどうせ、口にだして、夢を描いているだけだと……
………すぐ諦めるだろと。普通の人だってきっとそう思う。
これは、この男を知ってるとかは関係なくて
ただ、それぐらいに、男が目指したのが遥か彼方だったのだ。
百人中百人がそんなところ、走って行けるわけ無い………と考える所だった
だが………この男は違っていた
「今まで俺は、あなた達、親が、……助けてきてくれたから、ここまで生きてこれました。
だから
行かせて下さい。
じゃないと始まらないんです…」
男は今度は目をつぶっていた。
涙を隠すための必死の努力だった。
親はため息を吐き
諦めたようで、テーブルにお金を置いた。
男は、本気で怒った。
自分の気持ちが伝わらなかったからだ
あんなに必死に言ったのに、だ…
男は、自分の物で売れそうな物を全て売った。
本当に端金だがお金ができた。
なぜだか、とてもかるいのに、重く感じた…
そして、出来る限りの保存食を用意した。
出発する時、親には何も言わなかった。
いつも
「いってきます」
の一言は忘れなかったのに……
もう親に対しては怒っていなかったけど
あえて言わなかった
男は走った
途中足が絡んで、転んだりもした。
息も満足にできなくなっても走り続けた
誰かが指差して、言った
「あいつ、馬鹿じゃないの?
他にやる事あるだろう?」
もう、男の服はボロボロだった
周りからはただの変人にしか見えなかった
が、男は気にしなかった
前を見る事すら、必死だったから
壁に寄りかかってる奴らが、指差して言った
「なにアイツ…あんなになるまで、走って、それしかできねぇの?……マジキモイんですけどー」
「人生の楽しみ方知らないんだろ?」
「ハッハッいるいる
そういう馬鹿。もっと、自分の限界知れつー話しだよな。」
男は何も感じ無かった。
もう自分の限界なんてとっくに越えてたから。
自分は馬鹿だと初めから知ってた。
それでも、誰よりも分かっていた、今始めない物がいつ、出来る
人生なんて過去も未来もなくてただ、今が繰り返されるだけ。
夢は今から今へと引き継がれ
永遠に流れていく物で。
誰かが、いや、いつかの自分がそれを紐とかない限り叶わないものだと。
だから男は今を生きる
精一杯もがいて生きる
そう決めたのだ。
だから今の俺がいるんだ。
そう思えば、恥じなんて無かった。
誇るに値する自分が今いるから。
ある日、男は右足が動かなくなった。
それを引きずり歩くが、今度は左足がダメになった。
病院に搬送、医師はもう走れないと告げた
これ以上は無理だと…
男は馬鹿だ、だが学べる
夜、病室にお金を置き脱け出した。
ゆっくりと歩きながら行く事にしたのだ
。
気付くと、めちゃくちゃな上着に血だらけのズボン気持が悪くなりその場で嘔吐
弱音の大噴火、ここまでやったのにまだ半分ちょっとしか制覇出来てなかった事も男を暗くさせた。
もういい。ここまでやれば充分じゃないか、見事なもんだよ。
慰め、諦めをつけようとした、ができなかった
そして覚悟した。
けして諦めないと。
諦めた時、今までの今の自分を殺す事になるからだ。
男は継がれて今の男がいる事に気が付いていた
だから、男はまた歩きだした
次の今に繋げるために
その男の後ろをそっと風がおしていた
この場を借りて俺がやる事は一つ
いや、言うことは一つ
すみませんでした。