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厭離穢土欣求浄土、現世も同じじゃのう

「お爺さん、私、学校に行けてないの」

「ほう、それの何がいかんのじゃ?」


わしにはわからん。戦国には学び舎など作れたとしても、また戦で死んでいく。じゃから地域の皆で助けおうておった。


「えっ?皆行ってるから行かなくちゃならないんじゃないの?」

「たしか行ったほうが良いこともあるじゃろう。じゃが、今、お主を生きてるのはお主じゃろう。わしとて支える事は出来ようが、全てがわかる人でもない。わしとて三方ヶ原で漏らした時、誰にも言えんかった」


「お爺さんなら学校に行けなくなったら何をする?」

「そうじゃのう。見たところ、街を歩いて急に死ぬことも飢餓に苦しむことも、なさそうなぐらい平和そうじゃ。じゃから、ワシじゃったら諸国漫遊かのう。見たことのないものを見るわくわくよ」


「平和、かぁ。私、いじめられてるの。仲間外されたの」 


「そうか。仲間外れか。辛いのう。今川と織田を行き来した時は辛かったのう。いつ殺されるともわからん人質の身じゃった。だが、雪斎は凄い教育者じゃったし、織田信長とかいうクソアニキは世界の見え方がまるで違う天才じゃった。もしかしたら、お主にしか見えん世界があるかもしれん」


「そう言えば本棚の本見た?」

「見ておらんかったのう。どれ?『異世界行ったら本気出す〜ボンクラの俺でもできることがあるのかい?〜』か、異世界のう。『追放されたので出目で無双します〜出目ってデメリットじゃなかったのかよ、確定無双始まります〜』かぁ。なるほどのう」 


「どう?苦しみわかった?」


「いや、じゃが1つわかることがある。異世界に行こうとどこに移ろうと、何を成そうと人が生きられるのは今じゃ。なら、美味いふらぺちぃのでも飲んで、楽しむほうが、楽しいと思うのう。じゃから書物の力でそれができるので有れば、それは強いのう」


「そっか。そうだよね。私、ハミルトン=瀬名頑張るしかないよね」 


「えっ、瀬名、南蛮人と結婚したのか?」

「違う違う。家康爺ちゃんの奥さんとは別人だよ。同じ名前だから、なんとなく縁感じたから家康じいちゃんが現世見たらどう思うかなって」


「そうじゃったか。じゃが、この世はいつも辛いものじゃろう。鎌倉時代のやつらにも苦しみはあったじゃろうし、戦国にもあった。なら、今の人が苦しまぬ理由がどこにある?人は皆重荷を負うて生きるものじゃ」


「重荷かぁ。確かにそうかも。重荷を負うて生きるのが人なら、その重荷を分け合えるのも人だもんね。よし、明日行ってみよう」


「その意気じゃ。とりあえず、抹茶ふらぺちぃの飲みたいのう」


「おじいちゃん!昨日も桃フラペチーノの飲んだじゃん。スロバ高いんだからね?」



オンリー抹茶ふらぺちぃの、現世も極楽じゃ。



最もワシにとってじゃがの。

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