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第12話 聖堂の鐘

[あと五~六分しかないじゃん!]


聖堂の鐘が正午を告げるまで、ゴブリンどもに教育を施す。

われながら、天才的発想だ。

わたしは、ふうぅと、ひとつ息をした。


「さぁ、ゴブリンたちよ。聞くがよい」


ゴブリンたちは、何だ、何だとざわざわしはじめた。


「これからのモンスターは物を破壊する力だけでは、

優秀なモンスターとは言えない。

そこで、モンスターの中でも

特に優秀なゴブリンたちに脳のトレーニングを行う。

題して、賢いゴブリンだもんクイズーーー!!

はい、ここ、拍手!」


ギャッギャッギャッギャッ


ゴブリンたちは、歓声をあげて拍手した。


「では、やさしい問題から行くぞ。

これくらいはクリアしないと恥ずかしいレベルだからな。

第一問、ジャジャン! 

チーズをぎゅっと縮めたら何になる」


ゴブリンたちは、ざわざわと相談しはじめた。


「えええ? まさか、まさか!

この問題がわからないって言うんじゃないだろな。

普段、筋肉しか使わないから、貴様らは頭を使うのは苦手なのか。

わたしは失望したぞ」


ギャッギャッ、ギャッギャッ


「何? ヒントをくれと? 

ヒントか、チーズだ、チーーーズ。

伸びているチーズを縮めたら?」


ギャズ!


「お、貴様、正解だ! 答えは地図である」


うおおおおおおおーーー


ゴブリンたちに、なぞなぞクイズはウケがいいようだ。


「次、行くぞ。第二問、ジャジャン! 

建物を建たてたり道路を直したりするのは何時か?

シンキングターイム!」


魔力で秒針の音をさせてみた。

チッ、チッ、チッ、チッ、チッ、チッ、チッ、チッ、……


ギャジ!


「正解! 答えは工事だ。ちょっとこれは、簡単であったか。

では次は、難易度あげるぞ。

第三問、ジャジャン! 

大きな返事をする王様はお出かけをして何をしたいのか?」


チッ、チッ、チッ、チッ、……


ギャ? ギャ? ギャ? 


「フン、ちょっと難しいようだな。ん? 何だと、ヒントをくれ?

甘いなー、甘い。だが、今日は特別出血大サービスだ。

返事をするときは何ていうか、よーく考えてみるんだな」


チッ、チッ、チッ、……


ギャ? ギャ?

ギャーキング!


「おお、すばらしい。正解! 答えはハイキングだ」


ギャッギャッ! ギャッギャッ!


正解すると、ゴブリンでも嬉しいらしい。

これなら、出題するわたしもやりがいがある。


ところで、このクイズタイムの間に、ロベルトは町の人々を助けているのではあるまいな。

念の為、ロベルトに、【脳内通信】をしてみるか。


「ロベルト、小賢しい真似はしていないだろうな?」


[あ、全然してません。

っていうか、何もしてないので、暇でしょうがないです。

早く教育を切り上げてくれないかなぁ。

いやぁ、まいった、まいった]


「フフフ、だいぶ苦しんでいるようだな。

もっと、もっと苦しむが良い」


さて、再びクイズ問題にとりかかるか。


「ゴブリンどもよ、だいぶ脳トレーニングに慣れてきたようだな。

だが、これくらいで賢くなったと喜ぶのはまだ早い。

では、ラスト問題だ!

ジャジャン! 十問の問題を出してくる場所はどーこだ」


チッ、チッ、チッ、チッ、……


ウギャ? ウギャ?

ウギャ、ギャッ、ウギャ、ギャッ?


「よーく考えてみろ。シンキングタイムをたっぷりやろう」


ゴブリンどもよ、悩め、悩め。

時間を気にせずに悩むがよい。

たっぷり悩んで、暇でしょうがない人間どもをもっと困らせてやれ。


暇だと言っている人間に、念の為くぎを刺しておくか。


「ロベルトか、魔王だが。

まさか、教会の鐘を操作しようなんて、

バカなことはしてないだろうな」


[今、聖堂の鐘を鳴らす修道士を確保しました。

魔王様の大切な時間を邪魔させないようにしています。

最悪、邪魔者は消します。

それでも、俺は鐘を鳴らしません。

絶対に鐘なんか鳴らしませんからー]


「偽りはないな? ……絶対に鳴らすなよ!」


ギャッギャッギャッ

ギンギンダイ!!


お、まさかの正解者が出たか。

脳ってトレーニングすると、ゴブリンでさえ本当に賢くなるのだな。


「正解である。答えは天文台。では、どうしてわかったのか、

貴様からみんなに解説してみろ」


正解者がここで話を盛り上げて解説しはじめた。

ゴブリンたちはそれを夢中になって聞いている。

こんなに時間をかけやがって……もうクイズタイムは、そろそろ終わりだ。


その時、聖堂の鐘が鳴った。


カラーン、カラーン、カラーン……


「さてと、ゴブリンどもよ、脳内トレーニングはこれで終了だ。

ここから、貴様らお得意の力比べをしてもらう。

準備は良いか。

【復興】破壊するだけでは、真のモンスターとは言えない。

いざと言うときは、修繕工事も素早くできてこそ、一人前のモンスターである。

貴様ら、ゴブリンはその力があるのか試験する。

出来るだけ早く修繕できたものが優秀賞だ!」


うおおおおおおおーーー


ゴブリンたちは一斉に町へと降りていき、我先にと、破壊された街を修繕し始めた。


「ロベルトよ、町の人間どもは驚いているだろう? 

ゴブリンどもを一斉に町に降ろしてやったわい」


[はい、恐ろいです。

しかも、凄い。猛スピードで何かを始めています。

止めてください、これ以上はもう、勘弁してください!]


「ガッハハハハハ……では、最後の仕上げと行こうか」


[魔王、もう人間の世界で破壊行動をするのは、やめてください。

頼むから、もう二度と人間界には現れないでください]


「なにを偉そうに若造がっ!

お前の願いなど、聞くわけがないだろう!」


わたしは、最後の仕上げにとりかかった。




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