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悲しいお話

 実は私、個人的には令和・平成の日本食ってあまりお薦めする気が無い。

 ミッシェ〇ンで持て囃されているお店は日本に集中している。

 うん、本当に美味しいお店が多いね。高いお店が多いけどね。


 でも一方でスーパーで売っているいろんな調味料や食材は、添加物が多く使われている。

 世界各国が禁止している添加物を日本政府だけが了承していて、世界各国でドンドン禁止になってきている食品が日本に集まって来ており、世界のゴミ箱状態になっているからだ。


 それに色んな物に砂糖が入っていたり、糖度を極端に高めているのも何となく嫌だ。

 調味料なんてその際たるモノだ。

 でも無知なので、どの調味料の何が危ないのかとかは一々調べたりはしない。

 自分が普段使うモノだけ分かる所までを調べるだけだ。

 調べても覚えていたりはしなかったりするし、その調べたのだってネットの情報が元だったりするので、どこまでが本当なのかは専門家でも無いので分からない。


 昔、じゃがいもはエグミも入れてジャガイモの味がした。

 今はどの野菜を食べてもエグミはなく、反対に甘味がある。

 それは確かに美味しい。

 これは農家が野菜の水分量を下げ、糖度を強調するなどの涙ぐましい努力をした結果なのだろう。

 決して野菜に砂糖を注射器で注入してるなんて思っていない。

 でも、どんな野菜も極端に糖度を上げてあると思う。

 そのせいでどの料理も、味を構成する色々な層の底に甘味が強く横たわっている気がするのは気のせい?


 やれ、肥満だ、高血圧だ、糖尿病だと、薬まで接取しつつ、糖度が高いものを日常的に摂取するのって何故?

 それが前世で私が抱えていた疑問だった。

 恐らく、無知故の持たなくて良い疑問や恐れなんだろうけど、一度頭にその疑問が湧いてからは取り除く事が出来ない。


 だから私がスキルで呼び出す様々な調味料には醸造するものは機械で無理矢理醸造させた様なモノではなく、ちゃんと職人さんが拘って自然に醸造させた様なモノを呼び出している。

 アイスクリームだって本物のアイスクリームでラクトアイスではない。


 これは決してラクトアイスが悪いと言っているのではない。

 ()はアイスクリームの方が良いと思っていると言うだけの事だ。

 日本では私がこっちを買いたいと思う物は、結構高い。

 お酢500mlが1本で千円以上とか・・・・。

 だから結局、これだけはこっちのにするけど、あれはもう予算がないからコレでいいやの連続だった。


 この世界では平民には塩くらいしか味のチョイスが無い。

 エグミを取り除くには何かのとぎ汁を使ったり、塩水に浸けたり、水に浸して一晩置くとか、何度も水洗いをする等、結構手間を掛けて何とか食べれる様にしているのだ。

 そこへマヨネーズが入るだけでも十分バリエーションが広がる。

 昔ながらの醤油だけれど、搾りたての新鮮な赤い醤油。

 醤油は野菜だって肉にだって、魚にだって合う万能調味料なのだ。

 だからここでは意識して、野菜は本来の野菜の味のままの物を使い、私がスキルで呼び出した手間暇かけて作られただろう調味料で味付けをする。

 それだけで王都の人達はとても喜んでくれる。


 今日、私が作る煮物料理。

 一つ一つの具材を種類別に煮て、最後にお皿の上で盛り付け一つの料理になる。

 日本に住んでいた時は、お店で出されるものはそういう風に作ってあったのだろうが、自宅で、特に外で働いているのに帰宅してから作っていたので、こんな作り方をしていたら疲れてしまって別の意味で健康に悪い。

 だから全部の具材を一緒に一つの鍋で煮る。

 野菜や肉の大きさを揃えて切るけど、じゃがいもと蓮根の固さは違う。

 一緒くたにして煮ると微妙にジャストな固さじゃない野菜が出てくる。

 それでも味付けがしっかりしていて、全部の具材にすっと箸が通ればそれなりに美味しい。


 だけど今は幸せ。

 一つ一つ手間を掛けながら、作りたかった料理を作ってる。


 でも反対に、この世界は衛生観念が無い。

 農作物に肥料の代わりに処理をしていないし尿をぶっ掛けて育てている所もあるだろう。

 だからこっちの世界の人は生野菜なんて絶対に食べない。

 一度火を通す。


 水だって汚染されていて美味しくないから、子供たちまで飲み物は安いエールだ。

 アルコール度数は低い様だけれど、ゼロではない。

 育ちざかりの子供たちの発育に良い訳はないだろう。


 ウチの店では私が考案して、というか地球の古代の技術としてあったサンドフィルターを使って水を漉しており、更にはそれを一度沸かした湯冷ましを使っている。

 飲み水が無料だった日本とは違い、水はしっかりお金を取る商品なのだ。

 だから、スキルで呼び出した皮が薬品で苦くなっていない自然な檸檬を漬けて臭いを取り、爽やかな後味にした後、更に薄切りにしてグラスに浮かべて出す。

 目でも楽しむためだ。


 その檸檬の種は家の裏庭に植えてある。

 まだまだ実が採れるまでは数年掛かるだろうけど、何本か育てているのだ。


 ダラスお兄ちゃんが結婚するという事でどうしても私の気持ちが暗くなってしまい、今日はネガティブな話ばっかりになってしまった。

 お兄ちゃんは来年結婚をしてこの家を出て、独立するらしい。

 そうしたらこうやって手間暇かけて作った料理を食べてもらう機会も極端に少なくなるよね。

 新居は王都の中を考えているらしいけど、実家へは偶に顔を出すくらいになる。

 クスン・・・・。

拙作をお読み頂き、ありがとうございます。

今日は頭でっかちの話でしたが、明日からは普通に戻ります。

食品の安全性については、人によって思う所や大事と思っている部分が違う事もあると思います。

ここに書いているのは作者本人が普段から思っていた事ですが、読者の皆様にその意見を押し付けたいと言う事ではありません。


いいよ、☆、ブックマーク等で応援して頂けたら嬉しいです。

引き続き、よろしくお願い致します。

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