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第6話 スキル

 ゴブリンに襲われてユウキは死を覚悟した時、寝ていたはずの右手に持っていた剣が急に蒼く輝きだした。


「なんだ……?」


 ゴブリンに殺される寸前に不思議なことが起こったので、混乱してしまったユウキはなにも出来ずに剣を眺めて突っ立っていた。

 つもりだった。

 体が勝手に動いたのだ。地面を力強く蹴り、自分の目でも何があったか分からないほど早いスピードで動いて、剣をゴブリンの心臓部に突き刺した。

 飛び散った血液が辺りを緑色に染める。


「は……?」


 自分でも何があったか分からなかったユウキは再び混乱した。


【隠れスキル  〈アウェイクイング〉 の使用、発見に成功しました】

「え? 待て、なに言ってるか分からないんだが?」


【レベルアップ  レベルが 101 に上昇しました 魔物撃破ボーナス 有り】

「いや、まてまて。レベルの前にアウェイク……何とかの説明ってできない?」

【おっけ。任せろ。素晴らしく分かりやすい説明をしてやるよ!    アウェイクイングとは―――】


 アウェイクイングとは、剣の所有者が思考停止していたり放心状態や気絶しているときなどに、周りに魔物がいれば発動する、簡単に言えばピンチのときに助けてくれるスキルらしい。スキル内容は、剣の現在のレベルの約8倍程度の力を引き出して剣の意思で行動できるようになるというものだそうだ。


「だからか……。助かったよ」

【フッ。あの動きカッコ良かっただろぅ?】

「いや、見えなかったんだけど」


 ユウキが正直にその事を剣に伝えると、【頑張ったのに……】とか言って結構落ち込んでいた。


「そういえば、初めてあった頃コミュニケーションできない風にしてたけど、あれって意味あったの?」

【あ………】


 再び黙り込んでしまった。今まで普通にしゃべっていたのは忘れていただけのようだ。

 ユウキはその剣のことを少しカワイイなと、思いながらしっかり右手で握り、家に向かって足を動かし始めた。


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