次の日
僕たちは商店街を後にすると。
さっきまでいた道に戻ってきた。
「やっぱり、ここのコロッケ最高だね!何個でも行けちゃうよ」
「ホントにね」
「これで私は、明日も頑張れる」
ツグミちゃんは拳を握り締める。
「無理しないでね、ツグミちゃん」
「大丈夫、大丈夫、私頑丈だから」
「それなら良いんだけど」
僕たちはいつも通りの場所で解散した。
「でも、あのおばちゃん、どうしてあんなに悲しそうな顔をしたんだろう。何か理由があるのかな。今度行ったときに話を聞いてみよう」
次の日
今日も僕は山田君にお金を取られ、良いように使われた。
特に何も変わらない1日だった。
彼女がいなかったら。
「池田君!さあ、部活に行こう!」
「ツグミちゃん!引っ張らないで、服が避けちゃうよ」
「だって、待ち遠しいんだもん。早く部活がしたくて仕方がないの。こんなに何かをしたくなるなんて久しぶりだから。この気持ちを大事にしたいの」
「僕も同じだよ、でも、だからって、そんなに急がなくても」
「急ぐよ!だって、もしかしたら、間に合わないかも知れないんだから」
ツグミちゃんの速度がさらに上がった。
「はぁ、はぁ、はぁ、やっと着いた」
「すみませーん、部活に来ました」
ツグミちゃんが部室の前で、そう言うと、静かに部室の扉が開き、手が4本飛び出してきた。
その瞬間はまるでホラー映画のようなワンシーンだった。
僕たちは部屋の中に連れ去られる。
恐怖のあまり、目を閉じていたが、聞き覚えのある声が聞こえてきた。
「ほんとに来たんだな、お前ら!」
「もちろんです!」
「いや~、前に1回来たやつがいたんだけど、次の日こなかったんだよ。お腹を壊しちまったんだろうか」
いや、きっとその子は怖かったんだと思います、出雲先輩…。
「まぁいいや。では、それぞれの活動目標について説明していこうと思う。部活は活動した証拠を学校に提示しないといけない。例えば、科学部では論文を発表したりする。アニ研では、ストーリーと主人公たちの気持ちを理解し、感情の変化などを他者に分かりやすく教える、みたいなことをやっている。写真部は日常で撮った写真を文化祭などで展覧会として開く。旅行部は旅行先のレビューや、旅行の仕方、重要なことなどを考えながら、それをブログに書いたりしている。1つ1つ完璧にやろうとすると大変だからな、まぁ、まずはなれるところから始めるとして1日1部ずつやってみるか」
「はい!頑張ります!」
「おいおい、そんなに張り切ってると後からつかれるぞ、池田みたいにグデーとしてた方が、後々楽だ」
「ちょっと、出雲先輩、僕はグデーとなんて、してませんよ!」
「そうか?すまんな、私眼が悪くって…」
「眼鏡してないじゃないですか…」