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デブとブタ  作者: コヨコヨ
2/16

出会い(2)

 どうしてツグミちゃんが、ここに居るんだ?


 確かに中学校は違ったけど、高校で会えるなんて思ってもみなかった。

 でも、こんな姿を見られるなんて顔から火が出るほど恥ずかしい。

 それにしても、ツグミちゃんもちょっとぽっちゃりしてたな、食べることが好きだったなんて、僕と同じでちょっとうれしいな。

 ツグミちゃん、名字が変わってるから、きっといろいろあったんだろうな。

 僕のこと覚えてくれてるかな、さっきまでこの姿を見られるのが嫌で仕方なかったのに、もう、違うことが気になってる。

 僕ってこんなにツグミちゃんのこと気にしてたんだ。


 「え~それでは皆の自己紹介が終わったということで、学級委員長と副委員長を決めたいと思います。誰か立候補してくれる人はいませんか?」


 手を上げる生徒が一人もいなかった。


 「それでは、誰か学級委員長に推薦したいという人はいますか?」と先生が聞くと。

 「は~い、矢部さんがいいと思います」

 一人の女子生徒がツグミちゃんを推薦した。

 「は~い、私も矢部さんがいいと思います」


 また違う一人の女子生徒がツグミちゃんを推薦した。


 「矢部さん」

 「はい」

 「矢部さんに推薦があるのですが、やっていただけますか?」

 「分かりました、頑張ろうと思います」


 ツグミちゃん、本当に学級委員長したかったのかな?

 それにしても、あの女子生徒とは仲良くなれる気がしないな。


 「それでは、副委員長を決めます。誰か、やってくれる人はいませんか?」


 どうしよう、どうしよう、僕なんかが副委員長をやっても何もできないだろうし、ツグミちゃんに迷惑をかけるだけだと思うし。

 そう思い、手を上げるかどうかを迷っていた、その時。


 「池田暖さん、私と一緒に副委員長をしてくれませんか」

 「は、はい!」


 (?!どうして、こうなった。何でツグミちゃんが僕のことを指名したの、いきなり名前を言われて、びっくりして思わず返事しちゃったよ)


 「よかった、副委員長も決まったわね。二人はこの後、委員会があるから、学校に残っていてね。それじゃ、皆今日はお疲れさまでした、10時30分のチャイムが鳴ったら下校してくださいね」


 10時30分になり、チャイムが鳴った。

 みんな一斉に帰りだす。


 「それじゃ、矢部さんと池田君、委員会よろしくね」

 「分かりました×2」

 

 「ごめんね、池田君巻き込んじゃって」

 「い、いや、僕も手を上げようか迷ってたし。背中を押してくれてうれしかったというか」

 「私を推薦したあの2人、中学校が同じなの。私はこの学校に受験して入ったんだけど、あの2人はスポーツ推薦で入ったみたい」

 「そうなんだ、中学校でも学級委員長をしていたの?」

 「3年間の間やってたから、なんとなくやることはわかるけど、池田君は大丈夫?」

 「大丈夫、大丈夫、副委員長をやるくらい、学級委員長をやるより楽だからさ」

 「ありがとう」

 「何が?」

 「何でもない、さあ、委員会に行こ」


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