妹
「あ…ごめん。て、菜月こんな時間まで何してるんだ。もう12時だぞ…早く寝ないと体に…」
「うるさい、お兄には関係ないでしょ。別に私だってこんな時間まで起きてたいわけじゃないし」
「ならもっと早く起きれば…」
「早く出てってくれない、お風呂入りたいんだけど…」
「わ…分かったよ」
昔は、こんな性格じゃなかったんだけどなだけど…いつの間にかこんな性格になっちゃって…今は学校にも行ってないみたいだし…。父さんと母さんの話は全然聞かないし…まぁ、僕と話してくれるだけましか。
メイドさんは付けてないみたいだけど…兄としては学校に行って友達と遊んでほしいんだけどな。
「まあ、こんなさえない兄の話なんて聞いてくれないか」
僕が菜月にしてやれることなんてほとんどないしな。
僕が部屋に戻る途中、菜月の部屋もあるのだが…扉が開いている。
別に覗こうと思ったわけじゃないが、少し目に入ってしまったのだ。
「え…何だあの部屋…あんなにいっぱいアニメのグッズが…」
部屋には埋め尽くさんばかりのアニメグッズが並べられている。
「菜月…こんなにアニメが好きだったのか…」
僕たちは忙しい父さんの計らいで、結構なお小遣いをもらっているのだが…僕は毎回、取られちゃうからほぼお小遣い無みたいなものだけど…菜月は毎月毎月使えきれないほどのお小遣いをもらっているだろう…あれだけのグッズがあったとしても別に変じゃない。
別にあのグッズで楽しんでいるのなら僕は一向にかまわないと思う。
静かに扉を閉め、開いていたことを隠す。
自分の部屋の扉を開け、ベッドに入る。
「毎回こんな時間になったら寝不足になっちゃうよ…」
何とか眠りにつき、明日の学校に備える。
次の日の朝。
「ふぁ~、おはよう…母さん」
「おはよう、暖ちゃん。今日の朝ご飯はベーコンエッグと、みそ汁よ」
「洋食と和食を混ぜられるとなんか変な感じがするな…」
「おはよう…」
――あれ…珍しい…菜月がこんな時間に起きてくるなんて…
「あら、菜月ちゃん今日は早いのね。待ってて、今朝ごはん用意してあげるから」
「いい、もう一回寝てくるから…今日も学校に連絡しといて」
「分かったわ、先生に連絡しておく。ゆっくり寝てらっしゃい」
「――」
菜月はそのまま自分の部屋に戻って行く。
「母さん…。良いの?菜月全然学校行ってないけど…




