帰宅後
「はぁはぁはぁ…まだまだ、練習が足りない…こんなんじゃ。ってもうこんな時間!やっば、早く帰らないとバイトに遅れる」
その人は練習を止め帰って行った。
「帰ってしまった…あ、僕も早く帰らないと」
執事さんに迎えに来てもらい、何とかぬれずに帰ることが出来た。
「暖ちゃん、今晩の夕食はお母さん特性ハンバーグです。チーズたっぷりの奴」
「お…美味しそう…いただきます」
――ううう…こんなにおいしそうな物を目の前にしたらダイエットなんてできないよな…
痩せようと思っても3日坊主、いつもこの繰り返し。
「ごちそうさまでした」
――結局ご飯3杯もお替りしてしまった。
自室に戻り、宿題をやる。
リュックに入れた教科書とノート、参考書を取り出し机に広げた。
「今日は宿題のやり忘れで帰りが遅くなっちゃったから、ちゃんと確認しながらやらないと」
現在の時刻9時00分普通に集中していれば30分ほどで終わる宿題だ。
「よし…終わった。あ、10分くらいオーバーしてるよ。えっと次が、小テストの勉強…」
5分間の休憩を挟み9時45分小テストの勉強を開始。
「明日は英単語…明後日は漢字…その後にまた英単語…の小テストか、結構多いな小テスト」
一週間分の小テスト範囲を一気に終わらせ現在の時刻11時00分
「わ、結構時間掛かっちゃったな。後は毎日少しずつ復習すれば多分大丈夫」
机を飛び出し、お風呂に向う。
「この時間にお風呂に入るのはあまり良くないよな…でも入らないと汗かいてるし」
何だかんだ言いながら、浴槽に入り取り付けられているテレビで音楽を流す。
「それにしても…帰ってきて7時45分、ご飯食べて8時半…ちょっとテレビ見てたらすぐに9時になって宿題やった後に小テストの勉強をしたら11時だもんな…今の時間は11時15分…もうすぐ12時じゃないか。やっぱり高校生は忙しいな…」
そんなことを考えていた時、ふと先ほどの生徒の言葉を思い出した。
「そう言えばあの人、バイトに遅れるって言ってたよな…あんなに遅くまで練習した後にまだバイトがあるなんて…いったい何時勉強してるんだろ。すごいな、僕には絶対に無理だよ」
考え事をしていた為か結構な長風呂になってしまった。
「は~、サッパリした。お風呂は気持ちいいよね、やっぱり」
しかし、お風呂から出た後自身の体を見て憂鬱になる。
「ふ!」
お腹に力を入れて見ても…その丸みは変わらない。
「さわり心地は最高だけどな…見た目は最悪だけど」
僕の顔は決して悪い顏では無い…多分、お父さんとお母さんは僕が言うのも何だが結構良い顔をしている…そんな両親の息子なのだから顔はまぁまぁカッコいいのではなかろうか…分からないけど」
自身の顔に手を当て、頬をモニモニと揉んでみる。
「凄い…軟らかいな…」
自分の顔を鏡に映しながらいったい何をやっているのか…少しでも小顔に見えればカッコよくなるのだろうか。
「お兄、邪魔」
 




