後日談
休日の朝から俺は、赤峰を呼び出していた。
なんだかんだ、体育祭より緊張するな。
待ち合わせ場所でしばらく待っていると、赤峰が来る。
「あっお待たせ!」
「こんな朝早くからごめんね、来てくれてありがとう」
「本当だよ! 何かあったの?」
「俺さ赤峰に言いたいことがあるんだ」
「言いたいことって?」
「俺……赤峰灯里さんの事が好きです! 付き合ってください」
手を差し出して頭を下げる俺を見て、赤峰は笑顔で手を握ってくれた。
「はい、わたしでよかったらお願いします!」
「えっ本当に?」
「嘘なわけないでしょ」
「やったー!」
「えへへっ私もうれしい」
「あっそうだ、こんな朝早くから呼び出したのには理由があってさ」
「どこかに行くの?」
「そう! 水族館に行きたかったんだ」
「えっなんで私が水族館好きって知ってるの?」
「それは……」
「もしかして凛ちゃんに教えてもらったんでしょ」
「まあ、そういうのはいいじゃん! 早く行こうよ灯里!」
「奏汰、待って……」
そう言うと腕を引っ張られた。
振り向くとそこには、顔を赤くした灯里が何かを言いたげだ。
「どうしたの?」
「えっと、その……私も奏汰のこと大好きだよ!」
「ありがとう、俺も好き」
こうして水族館に行く二人であった。




