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42初体験

クラスメイトを救出して7カ月と2週間、優斗が転生して1年6カ月と2週間がたった。

優斗の体は育った。


不味いことが立て続けに起こっている。

ルーシーとローラが喧嘩をしている。

2人に理由を聞いても答えてくれない。

マリーは声をかけても、返事をしない。

先日、我儘を叱ったことが原因か。

つぎに、玲とあかりが不穏なのだ。

玲とあかりは親友のはず。

不穏の原因はたぶん俺だ。

解決策を思いつかない。

誰に相談することもできなかった。

俺はどう動いたらいいのだろう。誰か助けて。


そんな時、それはいきなり来た。

朝、起きるとパンツが濡れていた。

そう、育ったのだ。

初めて抜けたのだ。

昨夜の夢はナンシーだったと思う。

柔らかく、もどかしく、エロい感覚だけが思い出される。

俺は忙しくて忘れていた。

優斗は転生して1年6カ月と2週。

ユート(優斗)の年齢は11歳と6か月と2週。

気が付かず、2週間過ぎていた。

そう、男になったのだ。

俺はまずイステナ様へ報告した。

イステナ様は喜んでくれた。そして今年中に子を作れと厳命された。


夕方まで仕事をし、病院に向かう。

玲、あかりと会い話をしたが、ぎくしゃくし、楽しい時間にできなかった。

最後にナンシーを訪ねた。

俺「団員の30名が性格テストを突破したよ。

リストを渡す。

ナンシーからも、勧めてくれるとありがたいな」

ナンシー「30名か、すごい人数だな。

団員の連中は勉強なんかしたことないのがほとんどだ。

途中で落伍しないか心配だ」

俺「性格テストは人間の本質を見るみたい。

タマによると、性格テストは絶対だって。

大丈夫だと思うよ」

医療学校の学生選抜について、ナンシーと詰めた。

もう仕事で話すことがなくなった。


俺「ナンシー、その、俺、今日、泊まれないかな」

いつもなら即座に何か返すナンシーが一拍遅れる。

ナンシー「部屋を整えるから、お茶を飲んで待っててね」

部屋の外で下働き担当の団員に指示を出すナンシーの声が聞こえる。

ただ、俺の心臓の音の方が大きかった。


お茶を飲みつつ、しばらく待つと、団員が来てベッドのある部屋に案内された。

着ている服を脱がされ、代わりにローブを着せられる。

俺の服は鏡の前に丁寧にたたまれ、置かれた。

ナンシーが来るので待つようにと言って団員は出ていった。


しばらくするとドアがノックされた。

返事をするとナンシーが部屋に入り、ドアを閉めた。

ナンシーは何か言っていたが、上の空で、自分の心臓の音しか聞こえなかった。


ナンシー「初めて? 」

俺「うん、初めて、何も知らない。全部教えて」

ナンシー「いいわ、全部教える」

俺はナンシーの言われるまま、全て従った。

無我夢中だった。


     *     *


ナンシー「今日は終わりましょう。

どう、楽しめた?」

俺「うん、とっても楽しかった。

俺、うまく出来た? 」

ナンシー「ふふふ、可愛かったわ。

そうね、あと9回、それで全部教える」

俺「明日も良いかな。夜6時には行くよ」

ナンシー「いいわ、そんなに楽しかったの?

夜9時に来なさい」

2人で天井を見つめ、1時間ほど話をした。

ナンシーは先に寝てしまった。

上手くできた満足感に浸りながら眠りに落ちた。


次の日、仕事をしていてもナンシーのことが思い出される。夜が待ち遠しかった。

ナンシーは俺の知らないことを色々教えてくれた。

なにより、創意工夫の大切さを教えてくれた。

2人で開発する楽しさは格別だった。


夜の勉強が終わった後は2人で会話を楽しんだ。

本当はナンシーの話を聞くのがセオリーと思うのだが、

俺は相談といって、玲、あかり、ローラ、ルーシー、マリーの話を聞いてもらった。

どう対処したら正解か、どう接したらいいか、誰も教えてくれない。

ナンシーなら教えてくれるかもしれない。

たぶん、愚痴なんだろう。

聞いてもらえるだけでうれしかった。


ナンシー「優斗は誰が1番好きなの?」

俺「玲に会ってるときは玲、

でも、あかりに会ってるときはあかり、

ナンシーに会ってるときはナンシー、そんな感じ」

ナンシー「ちょっとずるくない、その考え」

俺「でもホントだよ」

ナンシー「優斗がそんなんだと、彼女達、喧嘩になるわよ」

俺「そうなんだ、よくわかるね。

玲とあかりが喧嘩というか雰囲気悪い。

ローラとルーシーはもっと雰囲気悪い。

マリーは我儘、聞かないと俺を無視する。

今は玲と話してもぎくしゃくする。

あかりも、ローラも、ルーシーも。

マリーは無視する。

でも、どうすればいいか分からない。

ナンシー教えて」

ナンシー「全部、優斗のせいよ」

俺「うすうすわかってた」

ナンシー「たぶん、優斗じゃ解決できない」

俺「助けて、ナンシー」

ナンシー「もう寝ようか」

俺「うん、そうしよう」


    *    *


夢をみた。夢の中でタマとナンシーが話をしてる。

変にリアルな夢だった。


タマ「優斗の教育は順調ですか」

ナンシー「順調、自分より女を喜ばせるタイプ。

優斗は筋が良いよ」

タマ「よかった。ナンシーがいて良かった。

ほんとは悔しけど」

ナンシー「タマも加われよ。

見ているだけじゃつまらないぜ」

タマ「私、ゴーレムよ」

ナンシー「何もしないうちに諦めちゃうんだ。

それでいいのか」

タマ「優斗に嫌われる」

ナンシー「何怖がってんだよ、しれっと加われよ」

タマ「別に怖がってないわ。

ただ…、よくわからない」

ナンシー「自分の気持ちに正直になれ。

でないと後悔する」

タマ「考えてみる。

ところで例の件は引き受けてくれるの」

ナンシー「あいつにカリスマとか教育できないのか。

まあ、あいつの話を聞いたけど、引き受けるしかないよね」

タマ「カリスマなんてコンテンツはありません。

ナンシーお願いね」

ナンシー「ああ、引き受けた」


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