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40病院の行方

クラスメイトを救出して3カ月、優斗が転生して1年2カ月たった。

優斗の体は11歳ちょっと。

あと4カ月。待ち遠しい。


あかりの病室にいる。

あかりは6歳の精神状態。13歳の体。


あかり「優斗、ポーちゃんが死んじゃった」

俺「ウサギのポーちゃん。

たしか、2年前から飼ってた子?」

あかりは俺に泣きつく。

優しく抱き、頭をなでる。

目から大粒の涙をたたえ、俺を見つめる。

俺の心を溶かす。

あかり「うん。朝、ご飯持ってたら、冷たかった」

俺「うんと大事に育てたよね。

ポーちゃん、幸せだったと言ってるよ。天国で」

あかり「ポーちゃんに明日、ご飯あげられない。やだー」

あかりは声を張り上げて泣いた。

あかりの柔らかい体が心地良い。

いつまでも抱いていたい。

あかりが泣き止むまで抱いていた。


    *    *


治療の必要な患者は玲とあかりの2人になった。

その二人もあと3カ月で退院する。

女生徒の退院したあと、病院のあり方を決めたい。

病院の会議室にはトコ院長達とナンシー団長に集まってもらった。

トコ院長には事前に意向を聞いている。

俺「病院は後3カ月で全員退院します。

トコ院長より今後の病院ついて提案がありました。

トコ院長、説明してください」

トコ院長「人間の医師、助産師、看護師などを養成する学校にできないかと考えています。

教師としてアン医師とリン看護官の2名を残します」

俺「助産師は俺の希望で入れてもらいました。

神聖聖女旅団の団員さんは既に看護のコースを受講済みですし、

医師より短時間で養成できます。

神聖聖女旅団と産婆さんって相性抜群だし、断然いい。

学校で学ぶ生徒は神聖聖女旅団とクラスメイトから選抜します」

ナンシー「助産師か、神聖聖女旅団のイメージが良くなる。

その話、ぜひ、進めてもらいたい」

タマ「医師や看護師のコンテンツを学ぶには性格テストをクリアする必要があります」

俺「生徒と神聖聖女旅団、全員受けてもらおうか」

タマ「お世話役に通達します」

ポム「病院の下働きはいかがしますか」

俺「神聖聖女旅団は魔道具工房が一括で買い上げます」

ナンシー「いままでと同じでいいのか?」

俺「はい、旅団の南、歩いて10分のところに魔道具工場を準備してます。

そこを手伝ってほしい。

裁縫の技術が必要になる」

ナンシー「お布施を集める必要がないのは嬉しい。

皆喜ぶよ」

俺「他に問題はありますか」


ナンシー「神聖教団。

そのうち勇斗達に迷惑をかけるかも」

俺「その件なら心配いらない。想定のうち。

レオ、神聖教団は調査済だよね」

レオ「はい。では説明します。

神聖教団はアンダシア王都を拠点とします。

人数は350人、信者は5万人、

信者には王族、貴族、大商人が多数含まれ、

王国で最大規模の信徒団です。

その事業規模は金貨30万枚です」


タマ「はーい、意見です。

神聖教団を乗っ取りましょう。

おいしそうです」


レオ「もう少し説明します。

神聖教団には12人の『導師』がいます。

『導師』の中から『団長』が選出されます。

『導師』は1つの神聖聖女旅団を管理します。

『導師』の下に『使徒』がいます。

『使徒』はお布施を集めます。

『使徒』が集めた金貨30万枚のうち10万枚を『導師』の渡します。

計算上ですが『導師』は金貨8333枚、『使徒』は金貨592枚を得ています。

神聖教団はお布施を集め、懐に入れます。

いわば、ゼウアラ神様を種にサギを行うサギ集団です」


タマ「神聖聖女旅団はサギ集団に取りつかれてるってこと。それって最悪」


レオ「世間一般は神聖教団をサギ集団と気づいていません。

世間一般を巧みにだましています。

金貨30万枚はサギ師だから集められます。

神聖教団を誘導で改心させると、金貨は集められないでしょう」


タマ「なんーだ。がっかり。じゃあ殲滅ね」


レオ「世間一般はサギ集団とみなしていません。

ゼウアラ神様の使徒集団と見ています。

ゼウアラ神様の使徒集団を殲滅するのは問題かと」


俺「ナンシー、ゼウアラ神様は神聖教団に関心ないよね」

ナンシー「ゼウアラ神様に直接聞いたけど、関心無かったわ」

俺「サギ集団に取りつかれたままだと気持ち悪い。

興味を持たれ、チョッカイをかけられるとやだしね。

それに国王とか、領主を利用されると面倒。

俺たちに興味を持たれる前に先手を打ちたい。


決めた。

神聖教団には消えてもらう。

全員眠らせ、マジックバッグに入れよう。

マジックバッグはどこかに封印しよう。

トラ、作戦考えといて」

トラ「了」


     *     *


男子生徒を集め、復讐について話した。

俺「皆、戦奴にされ、ひどい目にあった。

もし復讐したいなら、俺は協力する。

ただし、俺は皆の復讐の代行とかしない。

各自、自分の手で復讐してほしい。

ただし、復讐にはリスクがある。

復讐しようとして、逆に殺されることは普通にある。

俺のおすすめはスキルを習得すること。

皆は7つスキルを取れる。

俺のおすすめは身体強化、敏捷、隠密、誘導、察知の5つ。

でも取得すのに半年くらいかかると思う。

教育IDと相談してね」

男子生徒からは復讐の意欲は全く感じられない。

まあ、する、しないは本人次第。

俺は干渉するつもりはない。


魔道具工房の移転先は魔道具工房の北、800mほどにある紡績工場であった。

門と塀で囲まれた敷地に管理棟、工場2棟、寮を備える。

管理棟と寮はそのまま修理すれば使えた。

工場は床がレンガであり、工房としては改修が必要であった。

工場は金貨1万2千枚、改修に金貨8千枚が必要であった。

工房の職人、事務員と魔道具商を目指す男子生徒5名は既に工房から工場に移動している。


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