33病院建設
スペリに到着して4カ月と2週間、
優斗が転生して10カ月と2週間たった。
タマに組んでもらった『移転』、
『アストラクト(魔法妨害)』、
『バリア』は全て習得できた。
『友を探せ』作戦以降、優斗の集中力はすさまじく、驚くほど早くコンテンツを習得していった。
時間に余裕ができたので、
移転魔法と共通コンテンツの多い移転魔法陣についても習得できた。
今日は病院を建設する日、月は新月、時刻は夜9時。
俺「タマ、保守ゴーレム達はダナ遺跡の入り口にそろった?」
タマ「はい、保守ゴーレムから連絡がありました。
準備完了だそうです」
俺「タマ、接続するよ」
タマ「了」
俺はタマに接続する。
タマ経由で、保守ゴーレムの情報が頭になだれ込む。
その情報で移転魔法を発動する。
目の前に100体の保守ゴーレムが現れた。
保守ゴーレムは現れると同時に作業を始める。
魔法を駆使し病院を作成していく。
タイムラプスをみるような感じと言おうか、見ていて飽きない。
朝の3時には予定通り完成した。
1体を残し、保守ゴーレム達は帰還していった。
残った1体が建物の説明と案内をしてくれた。
案内を終えると、その1体も帰還していった。
朝の4時になると人間とゴーレムの一団が移転室から出てきた。
人間の1名が俺の前に来て挨拶した。
「私が院長です。
機器と備品の搬入を開始したいのですが、許可願えますか」
俺「院長に病院に関する権限を全て委譲します」
院長「了解しました」
院長の後ろに控えていたゴーレム達が一斉に機器、什器、備品を部屋に運び込んでいく。
作業の邪魔になるので、俺たちと人間の一団は移転室を離れ、玄関ホールに移動した。
医療ゴーレムは人間形態に組み換えると事前に聞いている。人間に見えるが医療ゴーレムなのだろう。
移動している時に気づいたのだが13人いる。
3人多い。後で確認しよう。
医療ゴーレム達は全員女性だった。
年は14歳位から30歳位まで。
患者が女生徒ということで配慮してくれたのだろうか。
院長「優斗様、スタッフを紹介したいのですが、名前がありません。
優斗様に名前を付けて頂きたいのですが」
俺「はい、分かりました。
その前に、あのー、3人多くありませんか?」
院長「タマ殿より、重要警備対象とのことで、人間形体の警備ゴーレムが3体追加されました」
タマ「優斗、警備ゴーレムは忍者だよ。驚いた?」
俺「うん、驚いた。でも、ありがとう。タマ」
自己紹介と兼ねて名づけを行った。
最初は院長兼医師、『トコ』と名付けた。
彼女は患者の治療結果に責任を負うという。
次は医師、1名は『モモ』、もう一人は『アン』と名付けた。
患者の治療方針の決定、治療を担当する。
次は看護官3名、それぞれ『ミキ』『リン』『ノキ』と名付けた。
彼女たちは患者のメンタルケアの専門家。
穏やかに治療に専念できるよう患者を管理する。
彼女達は倫理規定で医療ゴーレムには禁止されている誘導、幻影の使用が許されている。
次は技官、1人目は『ユズ』と名付けた。
彼女は生体再生(欠損器官の再生)と神経組織再生(脳や神経の組織)の専門家。
もう一人は『ミツ』と名付けた。
彼女は脳ネットワークと付随する記憶の操作の専門家。
脳ネットワークと記憶を人間と記憶球の間で、抽出、保存、復元、修整を行う。
最後は事務官、それぞれ『アオ』『サキ』と名付けた。
人間の看護師の管理監督、指導、教育を行う。
もう名前が浮かばない。くノ一忍者には順に『ララ』『リリ』『ルル』と名付けた。
ララ「私は情報特化型です。
半径50Kmの戦術情報を統合できます。
統合出来る対象は忍者、スパイゴーレム、エージェントゴーレムなどです。
味方全員に指揮命令系統を構築するとともに、
統合した情報を味方全員と共有します」
リリ「私は遠距離攻撃特化型です。
アレフギアの任意の地点を遠距離視できます。
遠距離視した対象を魔法で攻撃できます。
ララと連携できます」
ルル「私は防御、索敵特化型です。
味方を亜空間に退避、復元できます。
この病院でも退避できます。
亜空間では物理、魔法の攻撃を受けません。
半径50kmの範囲を索敵できます。索敵した情報はララに提供します」
地球では、彼女らを忍者と呼ばないだろう。
呼ぶなら、たぶん戦術兵器。
名付けと自己紹介が終わった。
時刻は朝の6時、病院への搬入が終わり、今から病院の消毒作業が行われるという。
作業ゴーレムは俺達と医療スタッフを病院の外へ追い出した。
病院を出ると神聖聖女旅団の面々が待っていた。
病院スタッフと神聖聖女旅団との挨拶、顔合わせを行った。今日から病院業務を開始する。
事務官のアオ、サキは団員に看護や下働きの仕事の内容、手順、制服等の説明を行う。
消毒が終わる7時に開始する。
俺、タマ、院長、ナンシーの4人で団員の教育について話し合った。
俺「団員の皆さんを教育します。
内容ですが、読み書き、計算、看護学です。
担当はこちらのタマです」
タマ「教育方針と管理を担当します。
実際の教育は教育IDに任せます。
ナンシーにも看護学は学んでいただきますのでよろしく」
ナンシー「タマ様、団員の教育、感謝します」
タマ「お互い優斗の教育係りという立場、様つけは不要でお願いします」
タマはケシカランことをサラッと言っているように感じる。気のせいだろうか。
俺「教育IDは200個発行してタマに渡しました。
事務官の説明が終わったら、団員の皆さんに配ります」
タマ「教育IDを渡し、説明するのに2時間くらいかかります。
事務官の説明は10時には終わるといっていたので、10時から始めます」
ララ、リリ、ルルの3人を呼び出し、指示をした。
俺「ララ、リリ、ルルは患者の女生徒を守ってね。
偽装がかかてるから、攻撃は受けないとおもうけど、病院の警護もお願い。
あと適当に休んでね。
神聖聖女旅団の人と仲良くしてね。よろしく」




