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31救出準備

エスペリに到着して4カ月、優斗が転生して10カ月がたった。


エージェントゴーレム1体が俺の元に飛んできた。

見た目はカラスであった。

トラが念話通信用に送ってきた。

これで、常時、トラ達3人と会話でできるようになった。

今日の定時報告で、王都に入り拠点を設営したとの報告があった。

また、行政組織、奴隷商、王族等にスパイゴーレムを潜入させ、情報収集中とのこと。

朗報を待ちたい。


雄太たち6人は言葉を学んでいる。

ルーシー、マリー相手に片言だが話せるようになってきた。

王都からの軍隊は4日前にエスペリから西へ向け出立していった。

少し安全になったが、町中に出るには早い。

まだ、奴隷の首輪の跡が残っている。

せめて跡が目立たなくなるまで自粛してもらっている。1人ではなく友達がいるのが良いのだろう。

男子生徒の1人など、4カ月も裸で檻に飼われたせいで、裸族に目覚めたなどと軽口を言えるようになった。

女生徒達も同じように癒えるだろうか。


     *     *


俺は以前、ナンシーから聞いた住所を頼りに神聖聖女旅団を訪ねた。

魔道具工房から北東に1km離れた、さびれた区画にあった。

修道院風の古びた建物だった。

周りに空き地や畑があり、黒い服を着た女たちが農作業をしている。

入り口をノックし、出てきた女に「ここは神聖聖女旅団でしょうか」

女「はい」

俺「優斗と申します。

団長のナンシー様にお会いできないでしょうか」


お祈りをする場所だろうか、長椅子が並べられた部屋に通された。

しばらくするとナンシーが現れた。

今日は黒い質素な服を着ている。

ナンシー「畑で仕事でした。汗でびっしょり、ごめんなさい」

俺「いえ、良い香り」

ナンシー「もう、準備できたの。早いわね」

俺「それはまた何時か、今日は別のお願いというか相談で」

ナンシー「なあに、私でできること」

俺「口外無用でお願いします」


クラスメイトがアンダシア王国により召喚された話、

クラスメイトの中に女生徒が十五人いる話、

男子生徒6人を救出したが酷い扱いだった話、

もうじき女生徒を救出する話をした。


俺「女生徒達は奴隷にされてる。

想像できないような、

彼女達では耐えられないような、

心が壊れるような、そんな酷い扱いをされてる。

助け出した後、心と体を癒やす必要がある。

でも俺、男だし、女を看護とかできそうにない。

それに、俺のところ、頼れそうな人間の女がいない」

ナンシー「それで私に」

俺「そう、頼りたい」


ナンシー「私たちは治癒士でもないし薬師でもない。

治せないわ」

俺「計画がある。話を聞いて」


俺は計画を話した。

 神聖聖女旅団の敷地に病院を建設する

 治療する者は俺がつれてくる

 神聖聖女旅団の団員には病院で看護をお願いする


ナンシー「病院の規模は」

俺「病室20、手術室1,治療室3、

要員控室(大1、中2、小3)、

移転室1、その他15室。

それに『治療する者』達の宿泊施設。

建設場所は修道院の裏手の草場が使えると思う」

ナンシー「そんな大きなもの作るのにどれだけかかるの」

俺「1日、正確には夜9時に初めて朝3時、6時間」

ナンシー「え、どうやって作るの」

俺「もう5割はできている。

当日は移転して組み立てるだけ」

ナンシー「いきなり、病院ができるとか、周りが怪しむわ」

俺「大丈夫、魔法で偽装する。

周りの人は見えてるけど、最初は気づかない。

徐々に認識する」


ナンシー「うちの団員に看護できるか心配だわ」

俺「仕事のやり方は『治療する者』が教えてくれる。

読み書きや計算も必要だから教える」

ナンシー「看護は何名必要?」

俺「看護要員50名、下働き50名」

ナンシー「それって、うちの団を買い上げるってこと?」

俺「お願いできるかな」


ナンシー「『治療する者』がひっかかるんだけど」

俺「絶対秘密だよ、実はゴーレムなんだ。

そこをを秘密にできるところでないと頼めない」

ナンシー「ゴーレムなの!

怪しいこと、この上ないわね。

周りどころか国から目を付けられる」

俺「ゴーレムと言っても人間形態なんだ。

言われなければ人間と見分けつかない」


ナンシーからの質問は続いた。

質問には誠実に回答した。


ナンシー「大体理解できました。

私一人では決められない。

ゼウアラ様にお祈りするわ。

少し待ってもらえる」

俺「宜しくお願いします」


ナンシーは席を外した。

30分程で戻ってきた。

戻ってきたナンシーは笑顔だった。


ナンシー「お代は頂くわよ」

俺「言い値で」

ナンシー「そうね、敷地代、月当たり金貨100枚、

団員100人で、月当たり金貨500枚、

お代は月当たり金貨600枚よ」


俺「月当たり金貨1000枚払う」


ナンシー「ふっかけたつもりだったけど。

上をいかれたわね。

契約成立ね。

ふふ、今夜、泊まってく?」


俺「恩に着ます。

後の方はまだ育ってない。もう少し先で」


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