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24魔道具屋

翌日、俺たちは昼前にエスペリに到着した。

初めに宿を確保した。

防犯と防音を考え、高級な宿にした。


全員を集め、エスペリでの行動計画を立てる。

・2週間以内に拠点(魔道具屋)の確保

・魔道具屋の商品確保

・周辺の道具屋の位置、商品、値段等の市場調査

・ルーシー、マリーの教育(町での生活常識、読み書き、算数)

・マジックバッグの開発

1日1回、夕方に会議を行い、問題点を全員で確認、対応を行うことを決めた。


ポムには不動産屋を当たってもらおう。

道具屋の市場調査は俺が行う。

ポミーにはルーシー、マリーの常識教育をお願いした。ハナにポミー達の護衛をお願いした。


拠点は翌日には決まった。

町の中心街から南東に2kmほど離れた、以前は鍛冶工房であった物件に決めた。

前面に店舗、すぐ後ろに住宅、次に工房と広場、その後ろは職人宿舎となっている。

部屋数は50以上であった。

有名な鍛冶が率いる工房であったが、王都に拠点を移したため、今は空き家となっていた。

工房の騒音を嫌ったのか、周りは空き地であった。

秘密の多い俺には好都合、金貨7千枚を支払う。


市中の道具屋を回り、魔道具の種類と売値を調べた。

道具屋で水の魔道具を調べたが、どこにも売っていなかった。

そこで店では水の魔道具を作成、販売することに決めた。

水の魔道具とは4cm四方の薄い銀板に魔法陣を刻んだもので、発動させると、1時間当たり0.2リットルの水を作り出す。

丸めて、水筒や、水差しに入れて使う。

発動後、何時間水をだすかで4種類作る。

5時間、10時間、1日、7日の4種類で、値段は5時間のものが金貨5枚、10時間で金貨8枚、1日で金貨15枚、7日で金貨40枚とした。

銀板を銀貨2枚で仕入れ、ポム、ポミーに魔法陣を刻んでもらい、ルーシー、マリーに包装してもらい商品とする予定だ。

商品の売り出しは店舗の準備もあるので3週間後と決めた。


ルーシーとマリーは教育が必要であった。

ダナ遺跡で家族4人で過ごしていたため、町中で生活するための常識が欠如していた。

2人の常識の教育はポミーに任せた。

市場や店舗、教会など町中を見学させた。

お金の価値や生活必需品の価格、

商品の買い方や値切り方を学ばせた。

2人は文字の読み書きができなかった。

タマに相談すると、教育IDの出番だという。

教育IDの案内人が本人の能力とレベルに合わせた最適の読み書き計算コンテンツを用意するという。

俺は初めて、教育IDをルーシーとマリーに発行した。


タマは管理者権限中級の取得を激しく勧めてくる。

俺は勉学の意欲が落ちたわけではないが、必要性を感じなかった。

今必要なのはマジックバッグの作成。

チュートリアルを取得中だった。

俺「今は魔道具屋の立ち上げで忙しい。

管理者権限中級への挑戦はマジックバッグの後で」

タマ「え~、そんな」

俺「もう、イステナ様に荷物頼むの限界」

タマ「なら、マジックバッグと一緒に管理者権限中級も勉強しましょ」

俺「魔道具屋の立ち上げが遅れる! だめ」


タマは本当に諦めが悪い。裏ワザにでた。


タマ「そういえば、『トラ』『レオ』『ハナ』の3人が落ち込んでました。優斗のせいです」

俺「俺のせい?」

タマ「3人の前で、区別つかないとか言いませんでしたか」

俺「言ったけど」

タマ「それです。PTSD発症です」

俺「だって3人一緒じゃん。タマは区別つくの」

タマ「つきません。でも本人の前では言いません」

俺「謝るけど」

タマ「謝っても、心の傷は消えません」

俺「どうしたらいい?」

タマ「優斗が考えてください」

俺「お願い! 教えて、タマ」

タマ「さあ」

俺「教えてください。お願いします」


タマの提案は3人を警備ゴーレムの標準形体から人間形体に組み替えるというものだった。

人間形体にするとき、能力の組み換えが可能という。

例えば能力を要人警護タイプから忍者タイプに変更できる。

忍者という単語は俺の心を揺さぶった。


俺「彼らに人間形体になってもらおう。

忍者は気に入るかな」

タマ「気に入るにきまってます。

人間形体にできるのは保守ゴーレム達です」

俺「じゃあ、保守ゴーレム達に頼もう」

タマ「残念です。権限が足りません」

俺「ひょっとして、管理者権限中級?」

タマ「はい。管理者権限中級のチュートリアルを組みましょうか?」

俺「はい、お願いします」


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