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23ルーシー姉妹の復讐

ルーシー姉妹の復讐戦を開始する。

目的はルーシーとマリーの復讐。

勝利条件は遺跡調査隊の殲滅。

本作戦はイステナ様からは「好きにしなさい」との言質を取っている。

イステからエスペリまでは急ぎ旅であれば2泊3日、遺跡調査隊の行軍であれば3泊4日かかる。

今日、追いかければ、こちらの2泊目で彼らに追いつける。


急ぎ旅のため、ルーシーとマリーにはきつい旅となった。

途中、マリーの泣き癖とひ弱さに悩まされた。

行程の半分はポムか俺がマリーをおぶって移動した。


イステを出て2日目の夕方には、遺跡調査隊に追いついた。

ポムに指示し、遺跡調査隊の手前で、野営場所を確保させた。

俺は隠密を発動し、偵察に出る。

野営地には遺跡調査隊の他、4人の旅人と行商人がいた。


俺「向こうの野営地に遺跡調査隊がいた。

ルーシー、確認だ、やつらに復讐したい?

もし、怖いようなら、俺が代わりにやってあげる。

どうする?」

ルーシー「私がやる」

俺「まだ、明るいから2時間ほど待機、作戦は暗くなってから、遺跡調査隊が食事を終えたころ開始する。

作戦は俺とルーシーでやる。

ポム、ポミー、マリーはここで待機。

ポムはもし敵が来たらマリーとポミーを守る。いいね」

ポム「申し訳ありませんが、できません。

私もポミーも自分は守れるのですが、他者は守れまっせん。これは仕様です」

俺「え、そうなのか、どうしよう」

ポム「優斗の警備ゴーレムを1体、残していってください」

俺「警備ゴーレム?、何のこと?」

ポムが俺の頭上に顔を向けたので、俺も顔を上に向けた。

最初は何も見えなかった。

目をこらすと、何かいる気がする。

いきなり俺を無表情に見つめる何かと目があった。

俺「誰だ、お前?」

突然、タマが現れ「ポム、ダメじゃん。

秘密だったんだよ」


タマが説明してくれた。

頭上の3人は警備ゴーレム。

教育ゴーレムが俺を魔法事故から守るため、派遣したという。

イステナ様もご存じとのこと。

知らないのは俺1人だった。

取りあえず、警備ゴーレムには、地上に降りてもらった。


俺「挨拶が遅れてすみません。

俺の警備、ありがとうございます」

警備ゴーレム達「お気になさらずに」

タマ「警備ゴーレムさんを強奪しましょう。

強奪すれば優斗のものです」

俺「誰から強奪、警備ゴーレムさん怒るよ」

タマ「優斗は管理者権限を持っています。大丈夫です」

俺「……」

タマ「警備ゴーレムさん、優斗は名前を付けるのが得意です。

素敵な名前をつけてもらいましょうよ」

警備ゴーレム達「お願いいたします。優斗様」

俺「……」

警備ゴーレム達「ぜひ」

俺は3人に名前を付けた。

1人は『トラ』、男名。

もう1人は『レオ』、男名。

最後は『ハナ』、女名。

3人は同じ容姿。正直、外見では区別できなかった。


    *    *


暗くなった。

遺跡調査隊は食事を終えたころだろう。

ルーシーを連れて野営地に向かった。

野営地の手前の藪に身を潜ませる。

索敵で藪付近が安全なことを確かめる。

俺「俺が復讐の準備をする。

準備が終わったら、迎えに来るから、ここに隠れていてね。

10分くらい。

1時間しても俺が帰らなかったらポム達のところに帰って、俺の帰りを待つように」

ルーシー「分かった」


隠密を発動、野営地にいる無関係な旅人、行商人の4人を処理する。

背後に回り込み、睡眠のマジックバレットを発射した。

マジックバレットには込める睡眠の量を調節できる。

適量を込めた。これで朝まで起きないだろう。


次は遺跡調査隊の処理にかかる。

索敵で人数を確認し、全員が野営地にいることを確認する。

マジックバレットには麻痺とデスを込めた。

麻痺は意識はあるが、体を動かせない、話せない程度に調整する。

デスは1時間程度で死亡するよう調整する。

1人、2人、と人数を数えながら、マジックバレットを打ち込む。

40人を数え終えるのに10分もかからなかった。


藪に戻り、ルーシーを連れてきた。

ルーシーにナイフを渡す。

俺「ここにいるのが遺跡調査隊の奴ら。

動けなくしたけど、意識はあるよ。

君の母さん、父さんの仇、好きなだけ復讐すると良いよ」

ルーシーはナイフを持ったまま、動かなくなり、泣き出した。

やはり復讐は無理か。


俺はルーシーを遺跡調査隊の隊長と思しき魔術師の元にいざなう。

俺「こいつは隊長、ルーシーの母さん、父さんを殺す命令を出したやつ。

俺が手を添えてあげる、どうする」

ルーシーは泣きながら「お願い」と言った。


    *    *


エスペリへの道すがら、ルーシーと今後について話し合った。

ルーシーは頼れるような親戚、身よりは知らないという。

俺から一緒に暮らそうと誘った。

ルーシーとマリーは俺の誘いを受けてくれた。

ローラの時の悔恨を思い出す。

もう後悔するのは嫌だ。

ルーシーとマリーの面倒を一生みることを誓った。



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