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12復讐

ローラをクジュ村に送って半月、転生して4カ月たった。

復讐神使徒全書の基礎訓練、強化訓練は全ての項目をクリアした。

今日、イステナ様に訓練項目を全て制覇したことを報告しよう。

そしてユートの復讐の許可を頂こう。


イステナ様へのお祈りを捧げる。

俺「イステナ様、使徒の訓練項目を全てクリアしました。ユート君の復讐、許可してください」

イステナ「もう終わったの?普通、半年はかかるのに」

俺「俺、優秀なんで」

イステナ「ユートの復讐はもう少し後、そう、後2カ月後くらいが丁度いい。そうしなさい」

俺「ユート君の復讐、俺、ずーと考えて計画してました。

今が最高にベストタイミングで、ユート君が喜ぶ計画練ってきました。

やるなら、今が一番です。

絶対、お願いします」

イステナは優斗の気迫に負けた。

イステナ「仕方ありません。

許可します。

行って殺すだけじゃないの。計画とは何ですか」

俺「ユート君がやりたかった方法で復讐します。

イステナ様見ててください」


時期は晩秋、収穫が終わり、商人が穀物を買い取り終わった時期である。

各村は税として年貢と人頭税を納める。

徴税は村が最も潤うこの時期に行われる。

ナジ村にも領主から徴税官が派遣されようとしていた。

徴税官は多額の現金を受け取るため、徴税官と共に騎士が同行する。

俺は代官家に復讐するに当たり、徴税官と騎士を利用しようと考えた。

ユートの復讐を思い出してもらいたい。

ユートは公爵に不正を報告する途中で殺された。

復讐は計画途中で中断した。

復讐の続きは俺がやる。

徴税官に不正を暴かせ、騎士に代官一家を処罰させる。

ユートの記憶にある通りに復讐を実行する。


俺は既に、代官家の下調べを終えている。

ユートの記憶を頼りに、代官家に侵入、執務室、宝箱の確認を終えた。

表帳簿、裏帳簿の確認、数字の不正も確認済みだ。

徴税官は本日到着予定で、明日朝、代官家から村の税金を受け取る。


計画はこうだ。

俺は今夜、再度、代官家に侵入し、宝箱の金貨を全て石ころにすり替える。

裏帳簿を盗み出す。

徴税官の宿泊する部屋にいき、密告文と裏帳簿を置く。

後は徴税官に任せる。

徴税官がボンクラでないことを祈る。


俺は計画通り事を進めた。

今は、宿から徴税官が出てくるところを監視している。

徴税官は袋を持っている。大きさからして、中身は俺の届けた裏帳簿だと確信した。

徴税官と騎士が代官家に入っていった。

俺は代官家の監視を続けた。

1時間程して、動きがあった。

代官家の中が騒がしい。

あわただしく、人が出入りする。

そして、20名弱の騎士が代官家に入った。

騒ぎを聞きつけた村人が集まりだした。

何が起きているのかうかがっている。

代官家から徴税官が出てきた。

徴税官は大声で告げた。「代官家を税金の隠匿の罪でとらえた。罪人は領都に連行され、刑が行われる」と。

馬車が呼ばれ、捕縛された代官と婦人、子供の兄弟が馬車に乗せられた。

代官家の4人を騎士たちに任せよう。

俺は私兵達の動向を探った。

私兵は全員、兵舎にいる。

俺は兵舎に向かう。

復讐の対象者には私兵も含まれる。

俺は5分で事をすませ、帰還の途についた。


    *    *


日が暮れたころ、ようやくセーフハウスについた。

優斗は今日のことを頭の中で整理した。

興奮し、気分が高ぶっていたので、イステナ様にうまく報告ができるか心配だ。

イステナ様にお祈りを捧げる。

俺「イステナ様、報告します。

ユート君の復讐、完了しました」

イステナ「優斗、大儀です」

イステナ「おめでとう。優斗、使徒として立派に成長しましたね」

俺「ありがとうございます。

俺も達成でき、ほっとしてます。

満足してます」

イステナ「褒美を与えなばなりませんが、優斗が予定より早く成長したので、間に合っていません。

少し待たせます」

イステナの用意した褒美とは例の「子だね」、イステナは勝手に復讐の褒美は「子だね」と決めている。

ただ、優斗はそのことを知らない。


俺「欲しいものがあります。

俺、魔法を勉強したいです。

褒美は魔法の勉強、魔法学校とか魔法大学とかで学びたいです」

イステナは自分の思い込みに気づいた。

この際、褒美は2つ与えても良いかと思った。

イステナ「魔法ですか」

俺「俺のいた地球では魔法はありませんでした。

魔法を使ってみたいし、魔法はどういう原理なのか知りたいです。

魔法陣や、魔法陣の中の文字や記号の意味も知りたいです。

召喚もどういう原理か知りたいです。

どこまで魔法でできるか知りたいです。

魔法は何種類あるか、新しい魔法とか作れるか知りたいし、魔法作れるなら作りたいです。

地球では魔法は無かったのに、なぜアレフギアでは魔法があるか知りたいです」

イステナ「分かりましたから、静かにしなさい」


優斗の熱意はイステナに伝わった。

アレフギアの世界には魔法を教える学校や大学はある。

だか、魔法そのもの知識が一度、途絶えている。

現在の魔法の知識は途絶えた後、再構築された。

再構築の時、失われてしまった部分は妖精や、神の奇跡で穴埋めされた。

魔法を少し深く勉強しようとすると妖精や、神の奇跡と遭遇する。

ありもしない妖精や、神の奇跡に。

学校では間違いなくガラクタな知識を教えているだろう。

イステナは優斗に無駄な知識を学ばせたくなかった。


イステナは彼女が若いころ得た使徒のことを思い出した。

その使徒は優斗と同じように復讐の褒美に知識の探求を願っていたが、復讐の達成後、事故で死んでしまった。


「あの時、お母様に教育IDをお願いしたはず。

あの教育IDは未使用だから、今も使えるはず。

教育ゴーレムに確認しますか」イステナは教育ゴーレムに連絡を取った。

教育IDの有効性を問合せ、有効の返事を得た。

イステナ「魔法を教える学校はありますが、その学校に通っても、優斗の願いは叶いません。

学校に代わる勉学の機会を授けます。

こちらに来なさい」

俺「ありがとうございます」といってイステナ様の前に進み出る。

イステナ「教育IDを授けます」

俺の額に手をかざされた。俺は意識を失った。


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