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魔物図鑑  作者: 龍崎 明
パターン一
8/18

魔蟲系

魔蟲系

 蟲の魔物の系統。基本的に巨大化しており、魔獣系に次いで種類豊富。


獄蟲ヘルストーカー 脅威度:B

 蜘蛛と蠍の特徴を備えた魔蟲。非常に狡猾で、暗がりでの活動を好む。強靭で粘着性の高い糸と肉を溶かす酸性の猛毒を口と尾針の双方から飛ばし、鉄すら砕く二本の鋏腕を振るう。大きさは、人間サイズであるが、その甲殻は鋼の剣すら弾くほどの硬度を有して耐久性に優れ、軽く八本の脚による俊敏性も持ち合わせる。危険度の高い魔物は非常に大型なものが多い中、それに慣れた冒険者が油断して、命を刈り取られる上級者殺し。


司蝗帝アバドン 脅威度:S

 人型で馬に似た頭部と蟲の翅と蠍の尾をもつ悪魔のような魔蟲。頭部に金色の角があり、それがちょうど王冠のように見える。他の魔蟲を操るチカラを持ち、そのチカラで凡ゆる食物を食い尽くす飢餓の災害。幼生期においては、地中で過ごすことが知られ、奈落の王との別名もある。ただ、幼生期には戦う力がないため、そこを狙って駆除されている。魔蟲を誘引して、幼生期の栄養としている模様で、おかしな動きを見せる魔蟲を追えば、発見は容易。


三つ首の王蠅ナベリウス・ゼブブ 脅威度:A

 三つ首で竜に匹敵する巨躯の蠅。大食漢で、一夜にして森林を更地にしかねない。特殊なチカラはない。


猛毒蜂ポイズンホーネット 脅威度:D

 肉食の蜂。猛毒を有する針は鉄の剣と撃ち合えるほど硬い。人間の子どもサイズ。


軍隊蟻アーミーアント 脅威度:C

 人間の子どもサイズの蟻。集団で行動し、その顎は鉄を砕くほど強靭。酸性の強い蟻酸も吐く。


戦争蟻ミュルミドン 脅威度:A

 大国と戦争ができるほどの巣をつくる人馬型の身体構造をした巨大蟻。陣形を組むほどの知能があり、前肢は人間のように器用で武器を持って行動する。武器自体は、どこかで拾った物のようだが、手入れをする程度のことはできる。


大蚯蚓ワーム 脅威度:D

 地中を掘って生活する魔蟲。冒険者の多くは、地下洞窟で遭遇する。見た目を生理的に受け付けない者が多いが、その肉は珍味であるらしい。


殺人蟷螂キラーマンティス 脅威度:D

 人間大の蟷螂。鎌肢の刃は殺人に充分な斬れ味を備える。また、各所は強靭な甲殻で覆われ、さらに昆虫特有の敏捷性を備える。


吸血蟷螂エムプサ 脅威度:A

 青銅のような輝きの金属質な甲殻に身を包む蟷螂系の魔蟲。魔金属に匹敵する強度である甲殻は、脅威以外のなにものでもない。同じく鎌肢は、鉄製の武具など紙切れ同然に切り裂かれよう。肉食性だが、特に血を好むらしく、血抜きされた肉は喰わない。

 


大百足センチピード 脅威度:C

 巨大な百足。生命力が高く、頭を潰すまで油断は禁物。


深淵蜘蛛アトラク=ナクア 脅威度:S

 奈落の底に棲まう大蜘蛛。真紅の瞳に、黒檀色の毛で覆われている。営巣性で奈落に落ちて来る生物を喰べているとされる。地上に出てこないため危険はないが、異常に強い。


鬼蠍王ギルタブリル 脅威度:A

 人型の蠍。冠のように見える角があり、腕は鋏となり、猛毒の尾針を有する。全身は神鉄(オリハルコン)並みの甲殻で覆われており、知能も高い。


獅子蟻ミルメコレオ 脅威度:C

 流砂に潜む魔蟲。人間大で、獅子の鬣がある蟻。流砂の下には、広大な巣が掘られており、交代で待ち伏せしている。双頭毒蛇の主食。


妖蝶ピクシー 脅威度:G

 蝶の羽を持つ小さな少女のような姿をした魔蟲。少女の姿は擬態のようなもので、本質は蝶。花の蜜を主食とし、幻惑の鱗粉で身を守るが、命の危険はない。貴族に愛玩用のペットとして人気。


幻夢蝶姫ファムファタール 脅威度:S

 傾国の妖女の異名を持つ魔蟲。姿形は妖蝶と変わらず、愛玩用として間違って捕らえられることがある。しかし、その危険性は妖蝶よりも遥かに高く、その鱗粉を嗅いだが最後、その者は死ぬまでこの魔蟲の奴隷である。そして、その影響を真っ先に受けるのが、権力者であるがために、多くの国がこの魔蟲によって傾いたのだが、それが知られることは少ない。まさか誰も夢幻の如き美しさの妖蝶が原因だとは思うまい。


夢胡蝶プシュケー 脅威度:A

 夢を魅せる白い蝶。あらゆる空間を渡る力を持ち、捕らえるどころか姿を見ることも稀。夢に魅せられた者の魂は、この蝶の栄養になるとされる。


土蜘蛛タランチュラ 脅威度:B

 徘徊性の大きな毒蜘蛛。穴を掘り、獲物をそこへ運び込む。糸はもっぱら穴の補強に使われる。毒性が強く、特異な病を発症させる。この種の毒は、乱舞病という病を発症させる一種の麻薬で脳に作用する。これを受けた者は身体を動かさずにはいられなくなり、激しく動き出す様が踊り狂っているように見えるため、乱舞病と言われる。乱舞病は、死ぬか、限界まで疲労しない限り、自然回復することはない。なお、疲労で済むのは、ある程度の体力のある者である。


蜘蛛冥婦アルケニー・ブラックウィドウ 脅威度:B

 蜘女の魔化深度が上昇して、完全なるケダモノに成り果てたモノ。女体部分は、妙齢の美女のようでいて艶やかな黒髪に、眼球全体が黒く、肌は病的なまでに白い、蜘蛛部分は、漆黒で背中に赤い砂時計のような模様がある。洞窟など暗がりを好み、黒き仔蜘蛛と呼ばれる分身を生み出す。黒き仔蜘蛛は、蜘蛛冥婦の命令に絶対服従であり、また、蜘蛛冥婦が倒されると同時に死ぬ。糸は暗闇に紛れ込む漆黒で、鉄を斬るほど細く強靭、また、麻痺性の猛毒に濡れている。お尻の他に、指先からも糸を噴出できる。なお、その糸で肌の露出を極限まで抑えた漆黒のドレスを縫って着用している。


鎖蜘蛛チェーンスパイダー 脅威度:D

 森林などに棲む大蜘蛛。名の通り、鉄鎖の如く強靭な糸を吐き、この糸を用いて狩りを行う。基本的に、枝葉に隠れて姿を見せることはない。


宝蟲スカラベ 脅威度:C

 砂漠地帯に棲息する小型の魔蟲。宝石のように輝く甲殻をしており、その死骸は高値で取引される。ただし、生きている間は、肉食性で非常に凶暴な性質を宿し、群れとなって巨大な生物にさえも襲い掛かる。綺麗な死骸を得るためには、溺死か感電死させることが一般的である。

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