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幼馴染の仲間達が自分を大嫌いだと思っていて、見返すために大賢者になった話

掲載日:2020/05/26

今度は幼馴染パーティーの話。 @短編その7

「カイエン!お前はもう足手纏いだ!このパーティーから出て行け!」


幼馴染で、ガキの頃から一緒にいたポラリスが、ずっと一緒に戦って来たメンバーであるカイエンに、最終通告をした。彼は呆然として何も言えない。

他にも同じく幼馴染みのユース、ゴルチャもその場にいたが、二人もポラリスと同じ意見の様で、口を挟まない。4人はしばし無言・・

長く一緒にいたのに、キッパリと言い切られてしまったショックも、ようやく落ち着いた様だ。


「すまなかった。何か役に立てると思っていたんだが・・」


カイエンは皆と比べてレベルが低かった。

なぜかは分からなったが、なかなか上がらない。

彼も努力をしてみた。いろいろな文献を調べ、人にも頼り、付与アイテムも探したりもした。

だが全く上がらなかったのだ。


こんなオレじゃ、見捨てられても仕方がない・・


「俺達はもう先に行く。お前はここに泊まっていけば良い。餞別も置いといてやる」

「ごめんね、カイエン。自分にあった道、探しなね」

「さようなら、カイエン。きっと見つかるよ」


そして3人は宿を出て行ってしまった。彼一人残して。



しょんぼりと晩飯を宿屋の食堂で食べていると、一人の冒険者が声を掛けてきた。


それがきっかけで、カイエンの人生が大きく開けていくのだった。



今まで上がらなかったレベルだが、自分が思い込んでいたスキルとは違う所為だった。

それを活かすレベリングに変えると、あら不思議!!


「なんだ!こんな簡単な事だったなんて!もっと早く気付けたらポラリス達に愛想尽かされなかったのにな・・・」


同じ村出身で、4人とも孤児で、教会で一緒に暮らしていた。


「大きくなったら冒険者になって、金をガンガン稼ぐぞ!!」


4人は14歳になると、ギルドのある街に旅立った。


そしてみんなで頑張った。


頑張って・・励まし合って・・泣いて、喧嘩して、怒って、笑った。



だけど彼を置いて行ってしまった・・・


彼だけ置いて・・


「いつか再会したら、言ってやる。『オレを追い出さなかったら良かった!』って、悔しがらせるんだ!」


それが彼のやる気の源となった。





5年が過ぎ・・


彼は勇者のパーティーのメンバーで、『大賢者』になっていた。


夢中で頑張っていた彼だったが、ここ数年は余裕が出来た。

ギルドに行くと、昔のパーティーの名を捜すが、一度も見当たらない。


「もしかして解散したのかな。ユースとゴルチャは女だから、結婚したとか」


あれから5年経っているから、それもあり得る。



たまたま受けた依頼先が、彼のいた村の近くだったから、久しぶりに立ち寄った。


驚いたことに、懐かしい教会にはゴルチャがいた。


彼女から聞いた話に、カイエンは愕然とした。



実はポラリスは呪いを受けていて、余命が1年だったのだと。

ユースはポラリスが好きだったから、看病するためにパーティーを抜けるつもりでいたと。

教会のシスターも病気がちだったので、ゴルチャはシスターになろうと前から思っていたと。


でも、カイエンはどうする?

みんな彼がレベルで悩んでいるのを知っていた。

俺達ではアイツの役に立てない。

あちこちのギルドに立ち寄る度に、彼を助けてくれるメンバーを探した。


そして遂にあの街のギルドで見つけたのだ。

だがその頃には、ポラリスの寿命は2ヶ月を切っていた。


大好きな親友に嫌われる様に言うのは、本当に辛かったのだと。

宿屋を出て、ポラリスはずっと泣き続けたと。


『やっぱり取り消しだ!あれは冗談だ!』

何度も戻って、謝って、また一緒に旅をしたいと。

でも、ここで彼を放してやらなければ。

本当のことを告げたら、優しい彼は立ち止まってしまうから。


だから3人は泣きながら街を後にしたのだと。



そして3人で村に戻り、ちょっと延命出来たポラリスだ。

別れてから半年後にこの世を去った。


ポラリスの子を産んだユースだが、2年前に病気で亡くなっていた。

子供はこの教会で、彼女や他の孤児と一緒に暮らしている。

思ったよりも長生きをしたシスターも、1年前に他界した。

私はここを守っていく。ゴルチャはにっこり笑って言うのだった。


「黙っていてごめんね、カイエン。君の活躍、応援してるよ」



教会の前には墓地があって。


そこに親友二人が眠っている。


自分より才能があって、強かったポラリスは、余命宣告されてどんな思いだったのだろう。

そんな苦しい時に、親友を思い、悪者になった彼に・・・カイエンは怒鳴ってやりたい。


親友なら、言えよ!言ってくれよ!!

オレだって、一緒にいたかったんだ!!でも格好悪いところ見せたく無かったから・・

つまんない意地を張った!!やっぱり追っ掛ければ良かった!!

レベルがなんだ、お前の命に比べたら、そんなもん、そんなもん・・


「くそったれ・・」


親友があまりにも優しくて、もう彼がいないのがただ悲しくて。


「文句も言えねーじゃねえか・・」


彼は墓跡の前に座り、目を瞑る。彼との思い出が、浮かんでは消え、浮かんでは消え。


ようやく目も乾いて、帰りを告げると。


これを持っていけと、ゴルチャに手渡されたのは、ポラリスの短刀だ。


「大剣は息子に渡すから、これをあげる」


礼を言い、カイエンは教会を後にした。





テーブルに短刀を置き、グラスは2つ、酒を『交わす』。

それが彼の日課となった。


ほぼ毎日短編を1つ書いてます。随時加筆修正もします。

どの短編も割と良い感じの話に仕上げてますので、短編、色々読んでみてちょ。


pixivでも変な絵を描いたり話を書いておるのじゃ。

https://www.pixiv.net/users/476191

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