表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
モコモコおててで異世界を歩く。  作者: 壱菜
モコモコおてては旅に出る。
64/83

もこは鬼にあう。

この話から"「」猫語とタファーナ語"に"ーー(テレパシー)"が混ざります。

読みづらいかと思いますが、宜しくお願いします。


日本の話をもっとしていたいが、今は猫化を解くことの方が重要だ。


「その首輪…君の魔力が込められているんだね。鈴は白蓮のかぁ。その首輪外しちゃだめだよ?」


肉球で首についたリボンに触れる。シャランと鈴が存在を示すように鳴った。


彦次郎によって目の前のテーブルに大きな桜貝のお皿が置かれる。その上にはまん丸の海苔煎餅が。「彦次郎さん、ナイスです!!昆布茶にはやっぱり煎餅ですよね。」と心の中で叫び、パリパリの海苔に巻かれた煎餅を一枚手に取った。


「その首輪を取ったら猫化の症状が現れるからねー。」


アクアはボリボリと煎餅をかじる。

しかし、何気なくいったアクアの言葉に私の手から煎餅が落ちた。それを見事にキャッチしたロアンは、放心状態の私の肉球に煎餅を握らせる。


「ーーにゃう(なぜ)?」

「何故?やっぱり知らなかったんだぁ。猫化はこっちの人間や精霊と契約をしないと解けないんだよ。」

みゃうにゃう(けいやく)!?」

「そう。彦次郎は50年以上この世界にいるけど僕と契約をしているから魚化していない。まぁ、双子には初めての転移者だからその事は知らないよね。」

ーー木蓮には人間と契約する気はないか?と問われたことはあります。

「だろうね。木蓮には軽く話したことがあるから。"契約すると言葉が使えるようになる。"と"潜在魔力が使えるようになる。"って教えたかなぁ。」


大事なとこが抜けてるよ!!


「っで、君の魔力と白蓮の魔力が合わさって仮契約の働きをしているんだなぁ。凄い偶然!!」


ケラケラ笑うアクアに殺意を覚える。

木蓮に伝えてくれていればここに来る必要無かったじゃんと頬を膨らます。

じゃぁこのまま白蓮と契約すれば解決じゃん。と考えてフッと気付く。


「でも白蓮とは契約できないからねー。」


そうまさにそれだ。

白蓮は旅の途中で何度か"契約者"と言っていた。ファンタジー小説で読んだ内容では契約者は必ず1人だった。そして、その契約者が死なない限り契約解除はできない。この世界が小説と同じなら1人としか契約できない筈だ。


ーーそれは1人としか契約ができないからですか?

「いや、それはない。何人でも契約がでるよ。」


小説とは違うようだ。なら何故?と首を傾げる。


「白蓮はこの世界で一番力のあるお方の契約者だからだよ。」


やっぱり。と納得する。白蓮との会話で薄々勘付いていたが…。


「白蓮も他の人と契約はできるけど、契約したら自分が大変になっちゃうしねー。」

ーーへっ?

「だーかーらー。何人もの契約者がいたらあっちもこっちも呼ばれて大変じゃん?」

ーーまぁ、そうですね…

「あっちに呼ばれたからあっちに行ったら、こっちが死んでた。なんて事あるからね?」


日本で育ち平和ボケしている私は現実を思い出す。あれだけ痛い目にあったのに楽しいことがあると記憶が薄れてしまうのは人間の悪いところだ。


「この世界で重要な人と契約しているってことは、大切な時に必ず隣にいなくちゃいけない。だから白蓮は誰とも契約できない。というよりしたくないわけ。わかる?」


小さく頷く。


ーー白蓮と契約が結べないのはわかりました。では、木蓮にお願いしたいと思います。


「ダメだよ。」


パリーンッとテーブルに置かれた人数分の湯飲みが一気に砕け散った。

目の前の彼は足と腕を組みこちらを睨みつける。


何故彼がこんなにも怒りをあらわにするのかわからない。分かるのは彼の魔力の気にやられ体が震え冷や汗が止まらないこと。


「木蓮は僕のだからダメ。手を出す奴は殺す。」


白くてシミ一つない手が伸びてくる。

避けなきゃって分かっていても震える体は言うことを効かない。ギュッと目を瞑る私にリーンっと白蓮の鈴が聞こえ、何度も嗅いだ匂いに包まれた。


「アクア、落ち着いてください。」


白蓮の声にホッと息を吐く。

いつの間にか震えは止まっていてそっと目を開けると、目の前にはロアンの首筋が。いつの間にかロアンに抱えられていたみたいだ。

座っていたところより高い位置から下を見ると、先程座っていた場所にはアクアの手があり、その手は強く握られていた。

ロアンに抱えられていなかったらあの手によって首を折られていたかもしれない。恐怖で再び震える私にロアンは優しく背を撫ぜた。


「姉のことになると見境がなくなるのは変わらないですね。」

「だって、僕の奥さんだよ。そんなの当たり前じゃんか。」

ーーうぇぇぇぇぇ!!


震えはどこへやら。

アクアの言葉に恐怖なんてどこか飛んでいってしまった。


「君、うるさいよ。頭痛くなったじゃん。」


不機嫌を隠そうとしないアクア。

そりゃぁ、思いっきり叫んじゃったからね。


「っで、わかったの?木蓮は僕の。僕の奥さんに手を出したら女だろうが猫だろうが容赦しないからね。」

ーーはいはい、はいはい、はいはい、はい…

「だからうるさいって、ハイは一回でいいよ。」


そう言ってアクアは手を払い木っ端微塵になった食器類を片付けた。


アクアはやっぱり敵に回してはいけない人物だった。容姿と木蓮の話はしないように気を付けようと心の中で誓った。



評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ