もこは古代魚にあう。
61話に登場する亀の会話を訛り有りにしましたので、読んでしまった読者様、少しだけ戻って確認して頂きたいですm(_ _)mお手数おかけします。
「それではわたっくしゃは失礼しやす。」
大きい亀は頭をぺこりと下げて、七色の海へ潜って行った。頭を下げた際、亀の頭に付いていた水が勢いよく落ち、それが直接当たった私は全身びしょ濡れになる。もう十分驚かされたからこんなもんじゃ驚かないぞと冷静な頭で濡れた体を肉球で払い、魔法で一気に乾かした。
大きな粒が直撃したことでアクアがまた笑い出したがもう無視だ。彼に付き合っていたらキリがない。それに丁度水浴びをして体の砂を洗い流したいと思っていたからわざわざ海まで行く必要がなくなり一石二鳥だ。
頭から離れない笑い声に今日の夢はアクアと白蓮が出てくるだろうと予想する。それなら夢の中でこてっぱんにしてやろうと湯飲みに口をつけたままニヤリと笑った。
湯飲みに注がれているのは白蓮のお茶とは違い、塩加減と出汁が抜群の昆布茶。この懐かしい味のする昆布茶を注いでくれたアクアの従者を盗み見た。
「猫様、お変わりいかがですか?」
急須を傾けた彼に頷くだけして湯飲みを差し出した。ペコリと頭を下げて三杯目の昆布茶を口にした。
チラッ、チラッと何度もアクアの隣に控える従者を見る。気になるけれど直視できない。
亀が消えた海から次に現れたのは生きた化石と言われたシーラカンスで、そのまま砂地に上がったと思ったら人型に変わったのだ。目ん玉飛び出すくらい驚いたけれど冷静な振りをしたよ。もうアクアにからかわれたくないもん。
地球上では三億五千万年前から変わらない姿とテレビが紹介していたけれど、この世界では変わっていたよ"人型"に!!大発見っ!
でもね、シーラカンスの人型にも驚いたのだけれど、さらに驚くことにその人型が日本人の男性にしか見えないのだ。170cm無いくらいの中肉中背。白髪は七三分けにしてガッチリ固めている。銀縁メガネを付け人当たりの良い笑顔をする60過ぎのおじさまはどこからどう見ても日本人。
アクアが漸く笑い声以外に声を発したのは私が従者から4杯目を頂いた時だ。
「こほんっ、あぁー、疲れたぁ。彦次郎、僕にもお茶ちょうだーい。」
足をブラーンと投げ出し背もたれに寄りかかって体を伸ばす。その口から出た名前に、目を見開き"彦次郎"と呼ばれた従者を凝視した。変わらぬ笑顔で主であるアクアに昆布茶を入れて一歩後ろに下がった彦次郎。アクアは昆布茶を一気に飲み干して姿勢を整えた。
「気になるよねぇ紹介しよっか。僕の従者で転移者のなんとか彦次郎だよ。日本って国から来たらしいけど知ってる?」
ツッコミ満載だけど、うんうんと頭を勢いよく振る。
「初めまして、彦次郎さん。廷々もこと言います。日本人です。」
久々に話す母国語に緊張する。
「可愛らしいお名前ですね。石川彦次郎と申します。もこさんどうぞよろしくお願い致します。」
綺麗に斜め45度にお辞儀する姿に涙が溢れそうになる。懐かしい…
「彦次郎さんにお聞きしたいことがありまして…。」
「私にですか?なんなりとどうぞ。」
聞きたいことは沢山ある。
けれど一番気になっていることは…
「何故シーラカンスなんですか?」
私は猫だけれど何故彦次郎さんはシーラカンスなのだろう。
「私はこの世界に来て50年が経ちました。この島の海中で目を覚まし気が付いたらシーラカンスだったのです。詳しくはわからないのですが、きっと日本にいた私はシーラカンスに興味を持ち調べていたからかもしれません。」
「もしかして学者さんですか?」
「いいえ、この地に飛ばされたのがまだ13歳でしたので専門的にはできませんでしたが、自由研究よりもっと細かく具体的にした感じですね。」
自由研究っ!きいただけでもゾワッと毛が逆立つ。夏休みの魔の宿題その1だ。その2は勿論読書感想文。
「私は自分が猫みたいな容姿をしていると思ったことがあります。」
「もしかしたらそういったことに関係しているのかもしれませんね。」
「そうかもしれません。あと、この昆布茶って…。」
美味しくてついつい4杯も飲んでしまった昆布茶は懐かしい日本の味だ。
「気に入っていただけましたか?この昆布茶は私がこの海から昆布を採取して作っております。」
やっぱり!!
「とても懐かしくて美味しかったですっ!ありがとうございます。」
同郷に母国語。
とても楽しい時間が流れる。しかしやっぱりいいところで水の精霊は横槍を入れる。
「ねぇー、ひまぁー。」
子供かっ!!
最初に敵に回してはいけないと思ったが気のせいかもしれない。ただの好奇心旺盛な精神年齢子供の精霊だ。本当に猫化の解き方をこの精霊が知っているのだろうか。不安しかない。
ブックマーク50人突破しましたー♪
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