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モコモコおててで異世界を歩く。  作者: 壱菜
モコモコおてては旅に出る。
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もこ干し肉を知る。


ーーあっ…干し肉食べてしまったのですか…?


ーーうん、美味しかったよ?


はて?食べてはいけなかったの?と首を傾げた私に対し、白蓮はテレパシーで話を続ける。


ーー魔物は捌いてから2日しか鮮度を保てなく、飲食店や家庭で使用されることが多いのです。なので、2日後には腐敗が激しく、何日も天日干しする干し肉には向かない材料なのです。


「ならさっきのは?」と口の中で味わった干し肉を思い浮かべ、小さな脳みそで出した答えに驚愕し、口がかぱーっんと開く。そんな様子に白蓮が苦笑いを浮かべ二度頷く。


ーー先ほど頂いた干し肉は動物のお肉ですよ。


やっぱりぃー!!と頭を抱えた。


ダシに使われて苛立ち、そのダシをさっさと食べたことに優越感を得たのはほんの一瞬で、今では後悔しかない。


ーー店主さんの話では数ヶ月に一度、一口サイズの干し肉が市場に出回るようで、先ほどのは余っていた物を頂いたそうですよ。ここ一帯の領主様はとても領民を大切にする方だと、領土は潤っていると聞いたことがあります。


久々の動物のお肉…

あぁ、お肉…


この世界の常識を知らないのは怖いなと身を以て知った。



ーーもこさん、リボンを探しに行きませんか?


自分でも単純だと思う。

項垂れていた体がピクリと反応し、尻尾は空高くぴんっと立つ。



ーーいく。


今度からは白蓮に聞いてから行動しよう。

また知らぬ間に肉を食べてしまうかもしれない。

いや、肉以外のものを食べてしまうかもしれない…。この世界恐ろしい…。


そんなことを考えながら、白蓮の腕に抱えられながら食堂と同じ作りの建物の中へ入った。

作りは全く同じ建物だが、食堂より狭く閑散とした室内には所狭しと棚があり、中央にはカウンターがある。そこのカウンターには頬杖をついてこちらをじっと見つめる10代後半の少女。


「いらっしゃぁーい」


気だるげな声。

眠たそうにあくびを一つする少女に、白蓮は近寄り「お邪魔します」と挨拶を交わす。


「リボンを探しているのですが置いてありますか?」


「あるー」


茶色の髪をツインテールにして前髪を眉上で揃えた店員は指をぱちんっと鳴らす。

すると、カウンターの後ろにある棚がひとりでに開きその中から色とりどりのリボンが宙を舞い、カウンターの上に綺麗に並んだ。


わぁ…。

白蓮と木蓮以外、しかも精霊ではなく人間が魔法を使うのを見るのが初めてで、つい食い入るように見てしまった。


「なにいろー?」


再び頬杖をついてこちらを見つめる少女に、接客態度がなっとらん!っと怒鳴り散らしたい気持ちを抑え、色とりどりのリボンに視線を向けた。


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