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モコモコおててで異世界を歩く。  作者: 壱菜
モコモコおてては旅に出る。
37/83

もこは肉食。だけど…


--白蓮は人間と契約しているの?


椅子に座り、猫らしいことをしていようと肉球をペロペロ舐めるフリをしながら頭の中で会話をする。土の上歩いてるのに舐めてたら汚いじゃん。だからフリだけ。



--えぇ、もう彼とは二十年の付き合いになります。


--へぇ、男の人と契約してるんだね。どんな人の?


--すごく立派な方です。この国を民のことを常に考え、良き国にしようと努力する素晴らしい方です。


--えっ、それっ…



「へいお待ちっ!!」


どんっ!!と置かれた料理にびくっと背中を丸くして椅子の上で跳ね上がる。着地と同時に毛を逆立てシャー!と声の主を威嚇した。



「おやおや、驚かしてしまったか?ごめんよ。海の男たちばかり相手にしているからか乱雑な態度が癖になっちまってよ。」


そう言って、にぃっと白い歯を見せ笑う店員。

日に焼けて真っ黒な肌に、痛んで茶色に色あせた長い髪を一纏めにした男は「猫ちゃんごめんよ」と、威嚇する私の頭をポンポンと撫で厨房があるであろう店の奥に、お客を足で押し退けながら去っていった。

よくよく見るとこの店のお客は店員に似たような容姿が多い。海かぁ。早く近くで見たい…ふと、空から見た海を思い出した。



--白蓮、海の中に生物はいるの…?


--もこさん、先にご飯にしませんか?


そういえばこの鼻につく香ばしい匂いは…肉っ!!


テーブルに足をかけ皿を覗き込む。

質素な白のお皿に乗っていたのは手羽先が五本。うにゃぁと酔いしれた顔でかぶりついた。


--おいしぃぃ!!


この味は人生で1回しかない食べたことがないスモークチキン!!響に無理やり連れていかれたディズ◯ーで歯に詰まりながらも噛り付いたあの美味しいチキン!!

はむはむと頬張りながら白蓮の方から甘い匂いが漂ってきて鼻をピクピク動かす。


--パンフェも美味しそう…


口にチキンを加えながら白蓮がスプーンでつつくパンフェをジトーッと見つめる。

日本でいうなら、パンケーキを一口サイズで四角く切りパフェの容器に詰め、果物を沢山盛り付けたパフェだ。


--食べますか?


「うにゃぉっ!!」


興奮して風に言葉を乗せるのを忘れる。

白蓮はシッと口元に細くて長い人差し指をあて、テレパシーを忘れた私に注意する。

しょぼーんと耳を垂らす私の皿にスプーンが近づき、食べかけのチキンの横にイチゴのような形の黄緑色した果物とパンケーキを二切れ置く。


単純すぎる私は、飛びついた。

だって、女の子は甘いの大好きなんだもん。

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