もこは友達が増える。
--白蓮は私を助けようとしたのに、こっちの世界に来て色んなことがありすぎて八つ当たりしてしまいました。ごめんなさい。
もう一度深々と頭を下げる。
--もこさん、頭をあげてください。
ゆっくりと顔をあげ、白蓮の目を真っ直ぐ見る。
--私は全く気にしていません。あの時の不注意で、もこさんに消えない傷や精神的な苦痛が残ってしまっていたかもしれません。だからあの時あんな風に怒ってもらえて内心ホッとしました。
--ホッとしたの??
--えぇ、私の失敗をもこさんは態度で怒ってくださいました。私の周りには精霊だからと一歩二歩引いて線引きして、失敗を「しょうがないね」とただ笑うだけです。だから引っ掻かれても、蹴られても嬉しかったんです。
--えぇぇっ!!
--なので、この件は気になさらないでください。
--うっ、白蓮がそう言うなら…。けど、これからは手を出すんじゃなくて言葉で伝えるようにします。やっぱり殴ることはよくないことだから。
--はいっ。
--あと、私は白蓮のこと気持ちが悪いなんて思っていないからね。
--えっ??
--傷が治ることと不死のこと。私は全く気持ちが悪いなんて思わない。この世界に来て助けてくれた恩人をそんなふうには思わないよ。
--っ…
白蓮の瞳に薄っすら涙が溜まる。
--そ、それに!よければ、私と友達になってくださいっ!!
バッと白蓮の前に短い腕を伸ばす。
うにうにと肉球をぐーぱーぐーぱーと動かして握手を求める。
--友達…?
首を傾げて肉球を眺める白蓮の右手を強引に奪い、握手をする。
--私が住んでいた国では、和解や仲直り、親愛のしるしとして右手で握り合いをするんだよ。もう一度言います。なんでも言い合える、遠慮なしの友達になってください!
--私でよければ…喜んで!
ぎゅっと握られた細くて長い白蓮の指。
にっこり笑った白蓮の頬に一筋の涙がキラキラと光っていた。




