もこは回転中。
「もう少し強く、あっ、強すぎで…」
ぐるぐーる、ぐるぐーる。
再び竜巻に巻き込まれる。もう何度目かわからない風に乗り、なんだか慣れちゃったなぁ。と諦め半分で白蓮の助けを待つ。
竜巻が空高く飛んでいくのを目で追い、ふわりと肉球が地に着く。地といってもまだ上空を飛んでいるからゴミ箱だけれど。
1回目の失敗を反省し、歩くことはせずにそのままペタンっと尻を着く。フサフサの尻尾を踏まないように持ち上げたままペタンと。
何時間経っただろうか…何十回と滝巻きに巻き上げられながら上達しない魔法に嫌気がさす。
白蓮はコツさえ掴めば簡単だと言うが、そのコツが全く掴めない。
でも、友達デートをするためにはテレパシーを習得しなければ…気合いを入れ直し、重いフサフサのお尻を持ち上げる。
友達デート、友達デート、友達デートと頭の中に浮かべる。頭の中が言葉でいっぱいになったところで強くもなく、弱くもない風を体に纏わせる。
「もこさん、もう少し弱く…」
ほんの少し弱く。
「あっ、そのまま言葉を送りたい人を思い浮かべます!」
送りたい人…白蓮。
--友達デートしてください!!
「……えっ、でえと?ですか?」
「にゃににゃぁん!」
初めて送れたテレパシーに、バンザイをしてぴょんぴょんと飛び跳ねる。
わかった!わかった!コツわかったぁ!!とテレパシーで興奮そのままに言葉を送りながら鎮座する白蓮の両親指を肉球で掴みブンブン上下に振る。
纏う風が強すぎても弱くてもダメ。
その絶妙な力加減で纏う風の温もりが変わってくる。強いと風は凶暴に、弱いと生暖かい風に当たっているよう。
コツが掴めたのは、その強弱の中に包まれるような優しく温かな風を感じたからだ。
--もこさん、おめでとうございます。ところで、でえと。とは??
--二人で買い物することだよっ
--そうですか。私なんかで大丈夫でしょうか?
--白蓮がいいっ!!
コツさえ掴めば簡単。と言う白蓮の言葉は本当だった。風を纏ったままでいれば長時間会話をすることだってできる。
そして、目の前で目を見開き驚く白蓮にテレパシーで「ごめんなさい」と伝えると更に目を見開いた。
漸く伝えられた言葉。
心の中に深く、重く居着いていた罪悪感。
--八つ当たりしてごめんなさい。
頭を深く深く下げた。




