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モコモコおててで異世界を歩く。  作者: 壱菜
モコモコおてては旅に出る。
32/83

もこは練習する。


地上の緑の景色はいつの間にかエメラルドグリーンに。

一度も行ったことはないが、テレビの画面で見たリゾート地の海の景色が一面に広がっている。


この世界にイルカやクジラはいるだろうか。と探してみたが跳ねる動物はいなく、穏やかな海も少し物珍しいだけで見飽きてしまった。



女子二人の買い物にワクワクする中、心の中は早く白蓮に謝らないとと気が焦っている。

お互い初めての"友達"デート。

まだ友達とは言えない関係であるのがとても残念だ。

港町に着くまで後一日。人見知りが邪魔してタイミングが掴めていない。

頭を抱えてうーん。うーん。と悩みこむ私に「もこさん、もこさん。」と白蓮の声が届いた。


少し離れたところに鎮座する白蓮。


--悩み事ですか?


ふんわり笑いながら問う。


--んにゃぁ!?


違和感が…


んにゃうにゃにゃっ(だいじょうぶっ)


--何かありましたらお話しくださいね。


うにゃっ!!っと上へ飛び跳ねる。

違和感を感じたのは、白蓮の声が頭に直接響くからだ。耳を通らずそのまま脳へ。

視線の先の白蓮の口はピクリとも動かない。


--恐怖。

鳥肌が立ち、毛が逆立つ。



--驚かせてしまい申し訳ありません。


恐怖で白蓮を見ないように瞳が忙しなく動く。


--買い物をする前に、もこさんにはテレパシーを使えるようになって頂きたいのです。



チラッと白蓮を見てまたすぐそらす。


--街で猫と会話をする人間はいないので、街中で会話をするには魔法しかありません。


「--うなぁぅ…」


とても弱々しく小さな声。

白蓮の提案は最もだ。しかし、慣れないものは慣れない。


--テレパシーは体を乾かす魔法より簡単なので、すぐ習得できます。テレパシー同士なら違和感なく会話もできるかと思いますので…


うにゃっにゃぁ(わかったぁ)


白蓮の遠慮がちな声が頭に響く。

友達とデート、友達とデート、友達とデート。と言い聞かせる。


「では、さっそくですが練習してみましょう。」


テレパシーではない白蓮の生声。


「まず始めに伝えたい言葉を頭の中に浮かべます。」


目を瞑り頭の中で同じ言葉を繰り返す。


「体に風を纏うよう意識します。」


白蓮が着替えをした時の魔法を思い浮かべ、自分の体に風が纏うように意識する。


「あっ!もこさんっ!!」


白蓮の焦る声とともに、体に纏う風がぼぅっと勢いを増す。


ゔに゛ぁぁ!!

ぐるぐる、ぐるぐる、ぐるぐる回る。

竜巻になった風に乗り、ぐるぐる、ぐるぐる。


数秒後、白蓮に救助されたが風酔いした猫は覚束ない足取りでフラフラと歩き仰向けにひっくり返った。


……全く簡単じゃないー!!


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