もこはお茶を飲む。
ボーッと頭の中で霞んだ意識が霧が晴れたようにすっきりとする。
視界いっぱいに白蓮が写り、その周りを金色の蝶が飛んでいる。
綺麗だなと見惚れていると金色の蝶は飛び立ってしまった…
--私何をしているんだっけ。
ゆっくりと離れる白蓮は、元のいた場所に戻って正座をする。
私はというと…何故か四つ足で立っている。
猫だから当たり前なんだろうけれど、この世界に来てからは一度も四つ足で歩くことはなかった。
まだ人間のプライドがあるからだ。
何食わぬ顔でその場に正座をして白蓮に向かい合う。
「もこさん、一連のことを覚えていますか?」
頭を傾げる。
「実は、使い魔のことで大事な話があります。」
白蓮が二人の間に手をかざすと金色に輝きだし、光が消えるとちゃぶ台とフリフリレースが付いたクッションが置かれていた。
惜しい。凄く惜しい。
古い木材でできたちゃぶ台は懐かしい気持ちになるが、それに合わせて置かれたカラフルな水玉模様のフリフリレースクッションは全く合わない。
できれば薄っぺらい座布団でお願いしたかった…
「うにゃう…にゃにゃんみゃうにゃん?」
「はいっ、この可愛いクッションに合うテーブルが見つからなかったので木蓮に作ってもらいました。」
残念すぎる…。白蓮はパーフェクトなイメージだっただけに凄く残念だ。
けれど、こちらの世界ではこれが当たり前なのかもしれない。と、自分に納得させ可愛らしいクッションにお尻を沈めた。
「では、まず始めに初めて異世界から来た人間のことについてお話します。」
白蓮から差し出されたティーカップを受け取る。
透き通った水色に、ちゃぶ台の中央にある角砂糖に手を伸ばし一粒いれる。
ダージリンの芳しい匂いを堪能し、口に含む。
ぶふぅ!!と口から吹き出る紅茶。いや、紅茶だと思っていた他の飲み物は、目の前に座る白蓮の顔面にかかった。
なっ、なんだこれは!!
紅茶と緑茶を混ぜたような液体に、角砂糖だと思っていたものは一味だったようでとてつもなく辛い。
ペッペ、ペッペと舌を出して唾を飛ばし、ふっと白蓮を見ると私のしでかした粗相に、口の中が辛いのも忘れ、血の気が引いた--…




