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モコモコおててで異世界を歩く。  作者: 壱菜
モコモコおてては旅に出る。
19/83

もこは森林浴中。


大きな切り株の側面に穴を開け空洞にし、そこをワンフロアにしたお家。

中の家具は全部木製で、猫サイズの小さいものから人間サイズのものが2組ずつ隣り合わせで置かれている。

この家を借りる時に気になり聞いてみたが、この世界と私の存在を学べばいずれ必要になると、納得のいく答えは貰えなかった。


質のいい布団に名残惜しいが、寝ぼけ眼で起きてふらふらと洗面台へ向かう。

肉球でどうにか水をすくい顔を洗い、うがいをしたところで丁度よいタイミングでドアがノックされた。

人間サイズのドアではなく、50cm程の小さなドアを押して開ける。


猫といっても子猫並みの大きさなので立ったままでも余裕がある。

そのドアを開いて目の前に現れたのは訪問客の足だ。



--スタイルが良くて羨ましい…


小麦色の健康的な長い足は、程よい肉付きで私の憧れだ。なんたって今は人間の時より短い足になっている。


その美脚に勢いよく飛びつく。

そのまま膝下まであるスカートに爪を少しだけ立てて、お腹、胸、肩とよじ登っていく。


爪を立てられている相手は気にすることなく、痛がる素振りも見せずされるがままだ。

登ったあとに落ちないように首筋に体を寄せる。



「もこ、おはよう。支度はできた?」


「--んにゃ」


ここにお世話になって一週間。

切り株の家の周りは大小様々の木が生い茂っていて、他に家は見当たらない。

この場所に住んでいるのは私だけのようだ。


右も左も木だらけのこの場所は、森に入ったら100%の確率で迷子になる。

家に一人でいるときは絶対に外へ出ないようにしている。


そんな森を抜けるために、迷子防止策として緑の肩を借りている。


緑と呼んでいた女性の名前は木蓮。

髪と瞳は緑で、スタイルのいい体は健康的な小麦色。とても気さくで明るい美女だ。

この住処を紹介し、さらに私にこの世界の言葉と歴史を教えてくれている。


見た目も性格も頭もいいなんて、本当に羨ましい。



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