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モコモコおててで異世界を歩く。  作者: 壱菜
モコモコおててになりました。
14/83

もこは空の旅へ。


「う〜にゃ〜にゃに゛ゃゃ(たーすーけてー)〜!!」


夢じゃない!これは、もう現実としか考えられない!!


顔に当たる冷たい風。

頭に血がのぼる感覚。

高い位置から地上を眺める恐怖。

尻尾が根元から切れそうなほどの激痛。


この状況が現実なのはよぉーく理解したから、お願いだから下ろしてー!!と叫んでも口から出てくる言葉は猫の鳴き声のみ。


ばさっばさっと大きな翼を羽ばたかせ飛ぶのは鷲サイズになった雀もどきだ。

その雀もどきが(くちばし)に咥えているのが猫になった私の尻尾。


八つ当たりは雀もどきを怒らせたらしく、尻尾を咥えられて地上から空へ飛び立ったのは一瞬だった。


初めて見る空からの景色。

まぁ綺麗!鳥ってすごーいっ!なんて甘いものではなく、雀もどきは左右上下終いには宙返りとアクロバットな動きをする。

恐怖に負け一瞬意識が飛んだが、尻尾の激痛で意識が戻り、まだ空中にいることに失望した。



「下ろせー」「痛いー」「バカ雀もどきー」と一通り叫んだが、効果はなく。


逆に暴れすぎて、嘴から尻尾が外れそうになり、雀もどきが首を下から上に振り遠心力で上へ上へと飛ばされる。上へ上りきり、くるくると下へ落ちる。


--死んだ。と目を瞑りその時を待つ私の尻尾に再び激痛が走った。


雀もどきはただ持ち直しただけだった。

空中で離したらそのまま落ちるだけで、上へ飛ばしてから再び咥える。

お手玉と勘違いしていないか?


頭の良い雀もどきに、もうなにも言うことはない。何を言っても無駄だからだ。


諦め半分、恐怖半分。

痛すぎて、寒すぎて、頭に血が上って。

私はなぜこんなことに…さっさと落下して木っ端微塵になった方が楽だ。

この高さなら少しの時間恐怖と戦えば、苦しむことなく死ねる…けど、やっぱり怖い。


私は猫のままで死んだら人間の私はどうなるのだろう…そんなことが頭をよぎった。

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