もこは鈍臭い。
猫の身体能力は高い。
猫が塀から体勢悪く落ちて体をひねり綺麗に着地をしたところを見たことがある。
なのに何故だろうか。
私は猫のはず。
もしかして同じ肉球仲間の小型犬なのだろうか…
足場が崩れ雀もどきが開けた穴に落ちた私は、反射神経で体をひねり着地を華麗に決めたはずだった。
しかし、結果として着地ミス。
着地ミスというより、足場に雀もどきが崩した直径5cm程の石があり、人間のようにグキッと足をくじいたのだ。
足を抱え悶絶する。
--夢なのに痛い!!
ふわふわモコモコの短い足を痛みが和らぐように摩る。それでも痛みは引かない。
長くて立派な尻尾は小さく揺れ、土埃が舞う。
私が落ちてきて足をくじいて痛がっているのにも関わらず、ひたすら穴を掘り続けている雀もどき。
鷹サイズの雀もどきは今では鷲サイズだ。
もうそんなことでは驚かない。雀だろうがカラスだろうが鷹だろうが鷲だろうが関係ない。
そんなことよりも、この雀もどきのせいでっ!
足が痛いっ!
手元に落ちていた石を雀もどきに向かって投げつけた。
一個、二個、三個と続けて投げた石は雀もどきの足元、体、頭に直撃した。
ただの八つ当たりだった。
冷静だった頭は穴に落ちて痛みを感じたことに混乱した。
痛みと混乱で目の前にいるものに当たりたかった。
あとのことなんて考えずに…
石を投げるのをやめて再び痛い、痛いと足を摩る。
「……ぐわぁっ」
そんな私の目の前に鷲サイズに成長した雀もどきが高い位置から見下ろしている。
ばっちりと交わった雀もどきの目は、血のように真っ赤だった。
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