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モコモコおててで異世界を歩く。  作者: 壱菜
モコモコおててになりました。
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もこはチビすけ。


おかしい。

私の身長は小さいけれど、地面がこんなに近いはずがない。

32年間の記憶の中で、ここまで小さい時期は赤ちゃんの時くらいだ。


首を傾げ雀もどきのカラスを見ながら考える。

ここはどこだろうか…?

そもそもここは高台の公園なのだろうか…


考えている私をよそに、ちゅんちゅんと餌を探し続ける雀もどき。

その雀もどきは同じ場所をひたすら掘る。

そこに何かが埋まっているのだろうか?


徐々に嘴の速さが上がっているようだ。

がつ、がつ、がつ、と深く掘られる土。

ここまでくると何が埋まっているのか凄く気になってくる。


穴を掘る雀もどきを観察し始めて五分は経ったはずだ。

この森に時計なんてものはなく、太陽で時間を読めるわけでもない。

今、私にわかることは雀もどきが飽きもせずに地面に穴を開けていることだけ。

ぽっかり空いた穴。雀もどきは穴の中で掘り続けていて見えない。


--覗くのが怖い。

見たこともない生き物。

覗いたら危険だと五感が教えてくれる。

--でも、気になる。

こんなことで逃げてしまったら今自分に起こっている出来事が夢なのか現実なのか確認する勇気がなくなりそう。


自分自身を奮い立たせ、穴に向かってゆっくりと歩き出す。



……やっぱり地面が近い。


いやいやそんなことよりも今は雀もどきだ。

わくわく、はらはら、ドキドキとたくさんの感情が湧き上がる。

今まで経験したことがないこの状況に気持ちが高揚する。



「……」


そっと覗いた穴。

結論からいうと、とてつもなく後悔した。


なんだあれは…


穴の中には雀もどき。

--それは想像できた。


しかし大きさが異常だ。


五分前までは雀サイズのカラスだったが、今では鷹サイズまで大きくなっている。


幻覚を見ているんじゃないかと手でそっと目をこする。

ふわふわモコモコの毛が目に入って痛い。


……ん?ふわふわモコモコ?


目の前で両手を広げる。

瞬きを二回して目の前にある"手"であろうものを動かす。


"手"であろうものは、私の意思通りにぐー、ぱー、ぐー、ぱーと動いていた--…



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