プロローグ
私の意思などお構いなしに回り始めてしまった歯車。ガラリと変わってしまった環境に必死で馴染もうとして三年が経ったある日、ふと昔のことを思い出す。
何故こんなことになってしまったのだろうか…
薄れ始めている過去の自分。
ふわふわの癖っ毛は黒でところどころ日に焼けて茶色が混じっている。
切れ長の一重の目はふわふわの髪には合わなくて、ひと回り後に生まれたくりくり二重の弟を羨んだ。
10歳の時に自分が他の子に比べて頭一つ分以上小さいことがコンプレックスになり、それを隠そうと猫背になった。母は「女の子は月のものになるまで身長は伸びるから大丈夫よ。」と牛乳を1日2リットル飲む私を心配してか、笑顔で慰める。
痩せていて小さかった私に月のものが来たのは中学三年生の時だった。
コンプレックスだった身長は伸びた。
けれど、母の慰めは虚しく、伸びは伸びたが伸びるスピードがノロすぎて150cmで止まってしまった。
細かくは146.6cmだけれど、四捨五入すれば150cmになる。
182cmの父と169cmの母を持つ私は、何度も何度も神様に暴言を浴びせた。
「私は両親の子じゃない!!何故弟はあんなに整っているんだ!!不公平だ!姿を現して土下座しろ!!」と。
長年にわたり積もりに積もった暴言に神様も我慢できなくなったのだろう。
あー、そういえば。
最後に暴言吐いたのは…。
私が私である最後の日、私は自分で運命の歯車を回したんだ--…




