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第8話 心頭滅却
目を閉じて、波一つない水面をイメージする・・・
やがて・・・
何かが湧き上がる感じが・・・
「・・・っ!
これが「神波動」・・・」
「うむ。
だが、負の感情に深く捕らわれるな。
さすれば、「暗黒神波動」に墜ちる。
こちらは、「光流神波動」である。」
「で・・・
どうするんですか?」
ナディアは、隼尾に尋ねた。
「現在、神波動研究グループを発足している。
近い将来、軍が組織として注目し始めると、一人一人の軍人だけでなく、民間人の人権すら奪われかねん。
先手を打つ必要がある。」
「・・・
確かに、皆がこういう「超常」の力を使い始めると、モルモットにされかにませんね・・・」
「そうだ。
ともかく・・・
技術の向上によっては、機動兵器すら燃料がいらなくなる。
パイロットが戦える限りはな。」
ナディアは、ふと思ったことを隼尾に尋ねた。
「どうしてわかるんですか?」
「先祖のうち二人が、「見てきて」いるのだ。
魔法と科学が融和して発展した文明を。」